世界最高峰のバスケットボールリーグ、NBA。
1クオーター12分の4クオーターで戦う。
リーグを代表するスタープレイヤー達の存在は魅力的だが、この長い時間を戦う上で彼らの1on1だけで攻撃が組み立てられているわけではない。
攻撃の軸となるものそれは戦術だ。
NBAの各チームあらかじめ決められたルールの中で能力、個人技を持つプレイヤーをどう活かして最高のオフェンスをするか、コーチ達は必死に考えてオフェンスをデザインする。
現代バスケにおいて最も代表的なストレッチ4、ホーンズについて考察してみた。
バスケットボールはスクリーンプレーで進化してきた！？
創世期には運動能力が高く、体格のいい黒人選手などの台頭などもあり個人の進化がバスケットボールの進化につながってきた。
しかし世界中から体格も技術も優れた選手が集まる近年のバスケはスクリーンプレーを多用したセットオフェンスvsそれらをいかに守るかというディフェンスのシステムとの対決、これによって進化しつづけているといっても過言ではない。
HCの採用するオフェンスシステムに合う選手が集められ、チームは形成される。
対戦相手はそのオフェンス戦術に対抗するためのディフェンスを考案する。
守られたらまた新たなオフェンス戦術を考案する。
スタープレイヤー達の輝かしいプレーの裏側にハイレベルなIQ合戦が繰り広げられているのだ。
現代を代表する戦術、其ノ一 ストレッチ４
現代バスケで一番有名な戦術がストレッチ４だろう。
４番ポジションであるパワーフォワードが本来のインサイドにポジションをとるのではなく外側の広い位置にポジションを置きインサイドのスペースを広く開けドリブルが得意なガード選手たちがドライブしやすくする。
自身にマークする相手パワーフォワードがカバーに行った場合ガードからキックアウトパスをもらい3ポイントシュートを沈める。
この戦術にはドライブの得意なガード、3ポイントが得意な選手が3人、ガードのドライブに合わせが得意でアリウープを決められるアスレチック能力の高いセンターが必要。
中にスペースができるため機動力とアウトサイドショットを活かした攻撃が可能となる。
デメリットはオフェンスリバウンドが弱くなることだ。
4番ポジションのパワーフォワードに一回りサイズの小さな3番のスモールフォワードを配置することもあるためスモールボールとも呼ばれる。
ウォリアーズやロケッツなどの強豪がこのシステムを採用しており、NBAを席巻している。
ミルウォーキー・バックスなどは5番ポジションのセンターさえも外に配置するファイブアウトという戦術を軸に今年イースタンカンファレンスの首位に立った。
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現代を代表する戦術、其ノ弐 ホーンズ
ホーンズほどありとあらゆるチームに採用され、そこから派生するバリエーションに富んだ戦術はなかなかないだろう。
センターやフォワードがエルボーの位置にポジションを置き、残り二人は両サイドの
コーナーにポジションを置く。
HORNSとは日本語で「角」という意味を持ち、上からみた形がアルファベットのAに似ていることからAセットとも呼ぶ。
この戦術の強みはバリエーションの豊富さとシンプルで覚えやすいことだろう。
意外かもしれませんがこれらの戦術のプレイブックはチーム名playbook.pdfなどで検索すると普通にネットに転がっている。
公式のものではないが戦術分析マニア達が世界中にたくさんいるからだ。
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現代を代表する戦術、番外編 スペインピック
ストレッチ4とホーンズを組み合わせたようなシンプルだが最強の戦術がある。
それがスペインピックだ。
三人で行うコンビネーションプレイで、ダブルスクリーン・ポップ&ロール。
リオ五輪でスペイン代表チームが多用したため通称スペインピックとなった。
NBAではロケッツがこの戦術を多用し無双を誇っている。
どのチームもどうやって守るか必死に考えているところだ。
スーパースターの個人技だけでなく戦術にも着目して観戦するとまた楽しみが増えるかもしれない。
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