90年代マイケル・ジョーダン擁するシカゴ・ブルズ、2000年代シャック、コービーらを擁するレイカーズで11度の歴代最多優勝監督、フィル・ジャクソン。
禅の教えを取り入れたり、控え選手も全員試合出場させてこそのチームであるとの考え方。
一芸に秀で、特定の仕事を確実にこなす選手を積極的にロスターに加えるなどその指導方法や采配には特徴的なものが多い。
最も代表的なものはトライアングルオフェンスだ。
トライアングルオフェンスはフィルジャクソンが考案したものではない?!
トライアングルオフェンスはテックス・ウィンター氏が考案したものである。
ウィンター氏の考案したトライアングルオフェンスを採用し、初年度こそ優勝できなかったものの翌年からスリーピートを達成する。
ウィンター氏はその後、フィルジャクソンがレイカーズで優勝した際にも右腕としてトライアングルオフェンスの指導にあたっていた。
トライアングルオフェンスの特徴は?
トライアングルオフェンスは頻繁にパスを回し相手ディフェンスを分散させフリーになる選手を作り出しより楽に得点を狙うオフェンスシステムだ。
サイドラインでトライアングルを作り、ウィークサイドで2メンプレイなどを狙う。
選手同士が5メートル離れチーム全員が攻撃に参加し変幻自在にオフェンスを展開する。
トライアングルの軸となるポストプレイをするプレイヤーがカギとなり、この選手が
得点力があればディフェンダーをひきつけ楽なパス回しができるが、そうでない場合
パス回しに苦しみ消極的な攻撃に陥るというデメリットもある。
トライアングルオフェンスは現代バスケに通用しない?
現代バスケはストレッチ4を代表とする早いテンポで得点をどんどん取りに行くスタイルが人気だ。
それに対しトライアングルオフェンスはしっかりパスを回してセットするシステム。
今のNBA選手たちが早い展開を好む傾向にあり、トライアングルオフェンスにマッチする選手が少ないのではないかと思う。
同様に教えられるコーチも少ないのではないか。
現代バスケで取り入れても面白いチームができると思う。
ただトライアングルオフェンスはサイドライントライアングルを構築すればいいだけのものではない。
そこから派生する膨大な量のパターンをチーム全員で共有しタイミング、動きなどを連動させていかなければならない。
近年実際に採用したチームのトライアングルオフェンスはどれも中途半端なもので試合中に選手が戸惑うなどの様子も見られ完全にものにできていなかった。
トライアングルオフェンスの復活はあるのか?
チームのアイデンティティとして根付くのに最低でも2年はかかるといわれており採用するからには我慢が必要だ。
選手もIQの高い選手とポストで1on1ができる選手を集める必要がある。
(今はポストで1on1ができる選手が減った気がする)
フィル・ジャクソンとテックス・ウィンターのコンビ以外で成功した例もほぼないと
言っていいので今のNBAではほぼ見ることはできない。
しかしその美しいオフェンスに魅了されNBAファンになった人も数多くいるだろう。
いつの時代か再びトライアングルオフェンスを採用したチームがあらわれNBAを席巻する日が来ることを願ってやまない。
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