第1戦は、ラプターズのディフェンスがウォリアーズの攻撃パターンを見事に抑えカリー、トンプソンに気持ち良く3ポイントを打たせず、得意の速攻も出させませんでした。
第2戦ウォリアーズとしては、とにかくトランジションで上回る事が求められるでしょうし、第1戦で完全に乗せてしまったシアカムを止めなければなりません。
ラプターズも初戦を勝ったとはいえ試合を通して10点前後の差しか付いていなかったので、更に気を引き締めなければいけません。
レナードも3Q終盤まではイグダーラに攻撃を抑えられていましたので何かしらの対策は必要でしょう。
NBAファイナル第2戦
第1クオーター
ウォリアーズは、第1戦で復帰したカズンズを早くもスターターに起用しました。
序盤から得点やディフェンスで気合の入っている姿を見せます。
ラプターズは、前回抑え込まれていたレナードが強引に得点を取りに行きます。
更にディフェンスをスイッチさせカズンズを引き出し、スピードのミスマッチを作りながら攻め込み7-0のランを見せます。
ウォリアーズはいつも通り序盤はトンプソンで点を取り、終盤にはドレイモンドがリバウンドを取りながら連続でファウルをもらうなど10-0のランをお返しすると1点ビハインドで1Qを終えます。
この日冴えない表情をカメラに何度も映されていたカリーは、フリースローの4点のみ。
第2クオーター
序盤お互いにロングシュートが入りませんが、ラプターズは前半で5/8の12得点と好調のバンブリートが起点になり、ゴール付近で得点を挙げ10-0ランでリードを広げます。
逆にウォリアーズは、ペイント内で得点が取れず残り5分で最大12点ビハインドとなります。
しかしラプターズがイバカ、ラウリーをファウル3つでベンチに下げると徐々に点差を詰め54-59の5点ビハインドで前半を折り返します。
ラプターズはペイント内ポイント10-24と圧倒します。
第3クオーター
第3Qは予想だにしなかった展開を見せます。
開始2分でウォリアーズがスティールとタイトなディフェンスで逆転すると、一気にギアを上げスティールを連発し得点を重ねます。
ここでもカズンズがアシストやガソルとの1on1などで存在感を発揮します。
パスも良く回り6分間で18-0のランを見せます。
ラプターズはフワッと入ってしまったのか、これまで抑えていたゴール下でも次々とイージーシュートを決められてしまいます。
オフェンスでもシュート確率が悪く、残り7分の時点で0/7 の5ターンオーバーを献上してしまいます。
何とか終盤にはレナードのフリースローやセカンドチャンスポイントで得点を挙げ8点差まで追い上げますが、ラウリー、シアカムがファウル4つになってしまいます。
第4クオーター
序盤ラプターズはラウリー、ダニー・グリーンが連続3ポイント決め4点差に詰めます。
ウォリアーズはここでもカズンズがアシスト、得点、ディフェンスで働きを見せればクックが3本の3ポイントを決めるなどラプターズの追い上げを跳ね返します。
しかし、ここまで25点の活躍を見せていたトンプソンが足を痛めてコートを去り、ラプターズはラウリーが残り4分でファウルアウトになります。
ウォリアーズは、カリーが「おとり」になりドレイモンドがパスを捌き得点を取り、ラプターズはオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントやフリースローで得点を取ります。
試合はウォリアーズが8~10点リードのまま進んで行きますが、終了間際にフリースローと3ポイントで10-0のランを作り2点差まで追い上げます。
残り27秒でウォリアーズの攻撃、ボールを持つカリーにダブルチームで取りに行きますが、カリーはリビングストンにパスし自分はゴール下に走りディフェンスを引き付けます。
リビングストンは冷静に左サイドでフリーになっていたイグダーラにパスを送ると、イグダーラの放った3ポイントがゴールに吸い込まれ勝負あり。
ベテランコンビが試合を決めシリーズをイーブンに戻しました。
この日最後まで元気が無かったカリーは23点を挙げましたが、フィールドゴール、3ポイント共に30%台と低確率でした。
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第2戦で見られた変化
ラプターズはレナードのオフェンスでの積極性です。
明らかに前回よりアグレッシブに攻めていましたし、得点も23点から34点に上がっています。
更に16本のフリースローをノーミスで成功させNBAファイナル新記録を達成しました。
ですが、逆に前回32点を挙げたシアカムはウォリアーズディフェンスの前に12点と振るいませんでした。
またカズンズの出場時間が延びた事で、ガソルは得点が下がりファウルが増えてしまい活躍出来ませんでした。
ディフェンスに関しては3Qの失態が響きましたね。
普通に出来ていれば勝利もあったかもしれないだけに悔いが残るでしょう。
逆に15-6とウォリアーズを圧倒したオフェンスリバウンドと、試合終盤までに20-0と追い上げの要因となったセカンドチャンスポイントは、今後のシリーズでも生かしていきたい材料です。
もう1つ悔やまれるのはラウリーのファウルアウトです。
最後のファウルは必要なかったと思いますし、コートに出ていればビッグショットも決められる選手なだけにもったいなかったです。
ウォリアーズが変えたのはディフェンスだけだったと思います。
チーム、個人のスタッツは前回と大きく変わっておらず、ディフェンスにより相手チームのスタッツを下げ勝利しました。
50%あったフィールドゴール率を30%台に下げ、フリースローのアテンプト数を下げ、25あったアシスト数を17に下げています。
また、ファウル数は22-26でウォリアーズの方が多いのに対し、退場したラウリーを含めラプターズの方がファウルトラブルになるなど、ファウルの使い方が光った試合でもありました。
課題はやはりオフェンスリバウンドでしょう。
1回で取れればセカンドチャンスポイントを献上する事もありませんし、ファストブレイクにも繋がりますので。
勝利の立役者は「燃える男カズンズ」と「有言実行の男ドレイモンド」!
カズンズはスタッツが11点10リバウンドと彼にしては低い数字かも知れませんが、攻守で見せる気迫やコートにいる事でファウルを誘いディフェンスを引き付けられる程の選手なので、やはり復帰したのは大きいです。
元々今シーズンは、この舞台に立つ為にウォリアーズに加入した訳ですから思いも強いでしょう。
第1戦の後にはドレイモンドにメールで
『俺はこの瞬間をずっと待っていたんだ。準備は出来ている。俺を信頼してもらいたい』
と送っていた事も明かしました。
ドレイモンドは、第1戦でマッチアップしたシアカムを自由にし過ぎた事を反省。
第2戦では変えてみせると発言しましたが、見事に有言実行を果たしました。
17点10リバウンド9アシストとトリプル・ダブル級の数字を記録しましたし、1Qからチームの起点になり数字の残らない仕事も沢山やっています。
試合終盤にはレナードを自由にさせないように激しく守りターンオーバーを誘う見事なディフェンスを見せました。
NBAファイナル第2戦試合結果
(Home)ラプターズ104-109ウォーリアーズ(Away)
ラプターズ1-1ウォーリアーズ
ラプターズ
個人スタッツ
選手 |
出場時間 |
得点 |
リバウンド |
アシスト |
スターター |
(73) |
|||
パスカル・シアカム |
41:56 |
12 |
8 |
5 |
カワイ・レナード |
39:43 |
34 |
14 |
3 |
マーク・ガソル |
31:28 |
6 |
6 |
2 |
ダニー・グリーン |
26:39 |
8 |
5 |
1 |
カイル・ラウリー |
28:41 |
13 |
1 |
2 |
ベンチメンバー |
(31) |
|||
フレッド・バンブリート |
38:08 |
17 |
4 |
2 |
ノーマン・パウエル |
21:06 |
7 |
1 |
2 |
サージ・イバカ |
16:17 |
7 |
10 |
0 |
チームスタッツ
フィールドゴール率 |
35-94 |
37.2% |
3ポイント率 |
11-38 |
28.9% |
フリースロー率 |
23-26 |
88.5% |
アシスト |
17 |
リバウンド(オフェンス) |
49(15) |
スティール |
8 |
ブロック |
2 |
ターンオーバー |
15 |
ファウル |
22 |
ペイント内ポイント |
44 |
ウォリアーズ
個人スタッツ
選手 |
出場時間 |
得点 |
リバウンド |
アシスト |
スターター |
(84) |
|||
アンドレ・イグダーラ |
28:04 |
8 |
8 |
6 |
ドレイモンド・グリーン |
41:35 |
17 |
10 |
9 |
デマーカス・カズンズ |
28:37 |
11 |
10 |
6 |
ステフィン・カリー |
41:40 |
23 |
3 |
4 |
クレイ・トンプソン |
32:07 |
25 |
5 |
5 |
ベンチメンバー |
(25) |
|||
ケボン・ルーニー |
10:23 |
0 |
1 |
0 |
ショーン・リビングストン |
16:05 |
6 |
0 |
3 |
アロンゾ・マッキニー |
10:47 |
2 |
1 |
1 |
アンドリュー・ボーガット |
07:09 |
6 |
1 |
0 |
クイン・クック |
21:12 |
9 |
1 |
0 |
ヨナス・ジェレブコ |
06:04 |
2 |
2 |
0 |
チームスタッツ
フィールドゴール率 |
38-82 |
46.3% |
3ポイント率 |
13-34 |
38.2% |
フリースロー率 |
20-23 |
87% |
アシスト |
34 |
リバウンド(オフェンス) |
42(6) |
スティール |
7 |
ブロック |
5 |
ターンオーバー |
15 |
ファウル |
26 |
ペイント内ポイント |
36 |
TEAM |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
TOTAL |
ウォリアーズ |
26 |
28 |
34 |
21 |
109 |
ラプターズ |
27 |
32 |
21 |
24 |
104 |
会場:スコシアバンク・アリーナ(ラプターズホーム)
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