
第4戦は、ウォリアーズのトンプソン、ルーニーが復帰した事で勝利を手にして勢いに乗りたい所でしたが、後半に入りラウリーにかき回されイバカに得点を許しレナードを止め切れず完敗を喫しシリーズ3-1になりました。
もう3連勝するしか優勝への道はないウォリアーズですが、3年前のプレイオフではキャバリアーズが3-1と追い込まれながら3連勝を飾り優勝(負けたのはウォリアーズですが)した姿を見ているので、とにかくまずは1勝それしか考えていないでしょう。
更にウォリアーズは5月8日以来となるデュラントの復帰が決定。
ファンとしては待ちに待った瞬間ですが、実践からは1か月以上離れていますし、足の状態も万全ではないでしょう。
試合中にどれだけ勘を取り戻せるかが鍵になってきます。
対するラプターズは球団初優勝まであと1勝となり、その勇姿をみようとテントを張って野宿をするファンも出る程盛り上がっています。
しかし優勝を知るレナードがエースを張るチームは油断など微塵もない筈です。
相手は王者であり、しかもデュラントが復帰した為流れが変われば一気に3連敗という事があっても不思議ではありません。
だからこそ第5戦で決めてしまいたいという気持ちは強いでしょう。
NBAファイナル第5戦
第1クオーター
ウォリアーズは幸先良くカリーの3ポイントから始まります。
ディフェンスも良くスティールからデュラントの3ポイントも決まります。
ラプターズはガソルが2ポイント3ポイントと決めるとダニー・グリーンも続きます。
お互いディフェンスは激しく付いていますが、それ以上にシュート確率が良く得点を重ねます。
中盤ウォリアーズにターンオーバーが出てラプターズが8-0のランを見せますが、トンプソンの連続3ポイントやデュラントが3本目の3ポイントを決め34-28でウォリアーズがリードします。
第2クオーター
序盤、ラプターズはイバカがオフェンスリバウンドからの得点やフリースローで得点を挙げます。
ウォリアーズは、トンプソンが得点を確率良く決め勢いに乗りかけた時に最悪の事態が起こります。
デュラントがボールを持ちドリブルで攻め込もうとした瞬間、床に倒れ込み顔をしかめながら足を抑えました。
痛めていたふくらはぎではなく、アキレス腱を痛めてしまい抱きかかえられながらコートを後にしました(ラウリーが心配そうに声を掛けるシーンが印象的でした)。
この突然のアクシデントに奮起したのはカズンズでした。
リバウンドに得点とゴール下で強さを見せれば3ポイントも決め7-0のランを決めます。
ラプターズはディフェンスからのファストブレイクやレナードのインサイドアタックで得点を挙げると、セカンドチャンスをものにして点差を広げさせません。
終盤ウォリアーズは、カリーがターンオーバーを犯しチームのフリースロー確率も上がらず苦しみますが、何とか6点のリードを保ち折り返します。
第3クオーター
このシリーズでは大きくゲームが動いてきた3Qは、ウォリアーズがイグダーラ、トンプソンが得点を挙げディフェンスも引き締めます。
更にチームで47%と確率が良かった3ポイントがカリー、イグダーラに出るとファストブレイクも出て8-0のランで残り7分には12点リードに変わります。
ラプターズはバンブリートやラウリーが得点を挙げますが、レナードが厳しいマークを受けターンオーバー。
残り5分にはラウリーが4つ目のファウルを取られ嫌なムードが流れますが、バンブリートの連続3ポイントやセカンドチャンスポイントなどで10-0のランを返し4点差まで追い上げます。
しかし負けたら終わりのウォリアーズも踏み止まり、またしても6点リードで終えます。
第4クオーター
運命の最終クオーター。
ラプターズはイバカがゴール下で連続ポイントを挙げればラウリーが3ポイントを決め、更にラウリーからイバカへのパスでダンクと得点を重ねます。
ディフェンスでもインサイドを固めウォリアーズのアタックをブロックします。
ならばとウォリアーズはクック、ドレイモンドの3ポイントで繋ぎますが、またしても徐々に攻撃のパターンが無くなっていきます。
すると残り6分辺りからレナードがギアを上げ始めます。
3ポイントを決め逆転をするとゴール下、ミドルシュート、3ポイントと1人で10得点を連続で決め残り2分でリードを6点に広げます。
しかし、ウォリアーズもトンプソンが3ポイントを返し3点差に詰めると全員でディフェンスを固め追加点を阻止します。
すると残り1分半にカリー、1分にトンプソンが3ポイントを決め土壇場で逆転します。
ラプターズはラウリーがレイアップで2点返しますが、1点及ばず試合終了。
ウォリアーズは優勝への望みを繋ぎました。
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どちらが勝ってもおかしくない死闘
スコアを見て分かるようにウォリアーズは、1Qのリードが結果的に大きな意味を持ちました。
正直ここまでの試合を見る限り4Qでラプターズが逆転しリードを広げた時には、このまま決まると思いましたが、そこからの攻防は凄まじくお互い気力だけで戦っている感じでした。
しかし、「さすが」と言うか「やはり」と言うべきか勝負を決めたのはスプラッシュ・ブラザーズでした。
激しい競り合いになったこの試合、勝敗を分けたのは何だったのか?
チームスタッツを見比べてみると大きな違いがあったのは3ポイント確率(47.6%-25%)、フリースローのアテンプト数(14-27)、オフェンスリバウンドの数(6-13)、ペイント内ポイント数(32-54)でした。
この中でウォリアーズが上回ったのは3ポイント確率だけです。
これはウォリアーズが勝った第2戦でも同じ傾向でした。
実はウォリアーズは今シリーズ、負けた試合全てで3ポイント確率がラプターズを下回っていました。
もちろん負けた理由は他にもあるでしょうが、やはり3ポイントの出来栄えは大きなポイントになっています。
また、レナード、シアカムの得点を合わせて30点台に抑えられたのもポイントですね。
シアカムはあまり目立ちませんでしたし、レナードは終盤の活躍は流石としか言いようがありませんが、全体を通して大分疲労の色が伝わってきました(当たり前ですが)。
残り2分で6点差があり、逃げ切れなかったのもチーム全体の疲労感を表しているのかもしれません。
チーム全員で掴んだ勝利
この試合、カリー31点、トンプソン26点と合わせて57点を稼ぎ勝利に貢献しました。
チームの得点源ですし、デュラントが不在となれば得点を取らざるを得ないですが、実際に取ってしまうという所がスーパープレイヤーですね。
しかし、第5戦は様々な選手が体を張りました。
デュラントは強行出場で結果的にアキレス腱を損傷してしまいましたが、その姿にチームはより一層団結し、勝利を手にしました。
負傷を抱えたまま出場しているルーニーも試合中に痛みで何度も顔をしかめながらリバウンドを取っていましたし、足を痛めているイグダーラも出場時間を計算しながらコートに立ち続けています。
負傷から復帰したカズンズも再びチームにエナジーを与えています。
両チーム共にファイナルまで進んで来れば、満身創痍で戦っているのは当然でしょうが、その先にあるチャンピオンリングを手に入れる為にチーム全員で一丸となって勝利を掴みにいきます。
第5戦は、王者としても負傷退場をしたデュラントの為にも負けられないという強い思いが、ラプターズより少しだけ上回った結果だったのではないでしょうか。
NBAファイナル第5戦試合結果
(Home)ラプターズ105-106ウォーリアーズ(Away)
ラプターズ3-2ウォリアーズ
ラプターズ
個人スタッツ
選手 | 出場時間 | 得点 | リバウンド | アシスト |
スターター | (77) | |||
パスカル・シアカム | 33:54 | 12 | 4 | 2 |
カワイ・レナード | 41:24 | 26 | 12 | 6 |
マーク・ガソル | 31:02 | 17 | 8 | 2 |
ダニー・グリーン | 33:15 | 4 | 5 | 0 |
カイル・ラウリー | 42:13 | 18 | 4 | 6 |
ベンチメンバー | (28) | |||
フレッド・バンブリート | 27:18 | 11 | 2 | 1 |
ノーマン・パウエル | 12:27 | 2 | 2 | 1 |
サージ・イバカ | 16:58 | 15 | 6 | 1 |
パトリック・マコウ | 01:28 | 0 | 0 | 0 |
チームスタッツ
フィールドゴール率 | 38-85 | 44.7% |
3ポイント率 | 8-32 | 25% |
フリースロー率 | 21-27 | 77.8% |
アシスト | 19 |
リバウンド(オフェンス) | 43(13) |
スティール | 6 |
ブロック | 5 |
ターンオーバー | 13 |
ファウル | 19 |
ペイント内ポイント | 54 |
ウォリアーズ
個人スタッツ
選手 | 出場時間 | 得点 | リバウンド | アシスト |
スターター | (83) | |||
アンドレ・イグダーラ | 30:27 | 5 | 1 | 3 |
ドレイモンド・グリーン | 41:11 | 10 | 10 | 8 |
ケビン・デュラント | 11:57 | 11 | 2 | 0 |
ステフィン・カリー | 41:11 | 31 | 8 | 7 |
クレイ・トンプソン | 42:29 | 26 | 6 | 4 |
ベンチメンバー | (23) | |||
ケボン・ルーニー | 17:49 | 4 | 3 | 0 |
ショーン・リビングストン | 15:32 | 0 | 0 | 2 |
アロンゾ・マッキニー | 02:01 | 0 | 0 | 0 |
デマーカス・カズンズ | 19:31 | 14 | 6 | 1 |
クイン・クック | 11:35 | 3 | 1 | 2 |
ジョーダン・ベル | 04:01 | 2 | 0 | 0 |
チームスタッツ
フィールドゴール率 | 38-82 | 46.3% |
3ポイント率 | 20-42 | 47.6% |
フリースロー率 | 10-14 | 71.4% |
アシスト | 27 |
リバウンド(オフェンス) | 37(6) |
スティール | 5 |
ブロック | 7 |
ターンオーバー | 15 |
ファウル | 22 |
ペイント内ポイント | 32 |
会場:スコシアバンク・アリーナ(ラプターズホーム)
TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
ウォリアーズ | 34 | 28 | 22 | 22 | 106 |
ラプターズ | 28 | 28 | 22 | 27 | 105 |
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