その年の成績を前年と比べ最も成長したと思われる選手に贈られる「MIP」(Most Improved Player)。
最成長選手賞とも呼ばれ過去にはポール・ジョージ、ジミー・バトラー、ヤニス・アデトクンボ、C・J・マッカラムなど後にチームのエースやNBAを代表するような選手達が受賞しており登竜門的な賞となっています。
しかし、他の賞と比べ選考基準の判断が難しい賞でもあります(成長を見せる選手は大勢いますから)。
スポーツ記者などのメディアからの投票で選ばれます。
昨年はインディアナ・ペイサーズのビクター・オラディポが受賞しています。
2018-19シーズンMIP最終候補
最終候補に選ばれたのは
・ディアロン・フォックス(サクラメント・キングス)
・ディアンジェロ・ラッセル(ブルックリン・ネッツ)
・パスカル・シアカム(トロント・ラプターズ)
の3人です。
フォックスは一昨年にドラフト全体5位でキングスに入団し、1年目からスターター起用される事も多く平均11.6点、4.4アシスト、2.8リバウンドの成績を残しました。
2年目の今シーズンは、81試合全てでスターター出場し平均17.3点、7.3アシスト、3.8リバウンドとスタッツを大きく上げ、確率も良くなっています。
スピードスターとして知られドライブのキレや、シュートエリアの広さやパスの精度など日々進化しています。
ラッセルは2015年に1巡目2位でレイカーズに入団するも、大きな活躍が出来ず2017年にネッツへ移籍。
すると1試合で30点以上をマークしたり、1Qで24点を挙げるなど素質が開花しましたが、怪我に悩まされ欠場が増えました。
しかし今シーズンは81試合全てにし出場し、得点も昨年の15.5点から21.1点にアップしました。
ボールハンドリングが上手くディフェンスをあっさり抜き去るシーンをよく見ます。
ロングシュートも上手くビッグショットを沈める決定力もあります。
また今シーズン、怪我をしたビクター・オラディポの代替選出でオールスター出場も果たしました。
2019年NBAアワード「MIP」受賞者はパスカル・シアカム
正直3人を比べてしまうと順当な結果だったと思いました。
シアカムは今シーズン平均16.9点、3.1アシスト、6.9リバウンドといずれもキャリアハイ。
また、3ポイント率とフリースロー率は10%以上も高くなっていて、フィールドゴール率に至ってはフォワードながら54.9%と高確率でした。
得点だけではラッセルの方が上ですが、チームのエースであるラッセルに対しレナードというエースがいる中でのシアカムと考えれば、大きな差には感じません。
またシアカムは、シーズン中にレナードが欠場した試合でキャリアハイとなる44得点をマークするなど爆発力を持っています。
プレイオフでも度々20~30点を挙げており、得点力もさることながらレナードやラウリーなどチームメイトの調子が悪い時、苦しい時に「自分が何とかする」という積極性が見られました。
これこそ正に成長の証であり、この賞に相応しい選手だと思います。
過去の傾向からは選ばれないが推したいのはこの二人
NBAアワードの中でも予想が難しい「MIP」ですが傾向としては、キャリア3年目以降の選手が多い、得点力が大きく伸びている、その年プレイオフに進出した強いチームに在籍している等がありました。
そういう意味でも選ばれませんでしたが、素晴らしいと思った選手がいます。
1人目はアトランタ・ホークスのジョン・コリンズです。
2年目の若手で1年目は成績を残せませんでしたが、今シーズンは61試合に出場し平均19.5点、2.0アシスト、9.8リバウンドを記録。
ガードでありながらアシストが少なくリバウンドが多い選手で、シ-ズン最終戦は25リバウンドを記録しました。
またダンクコンテストに出場するほど身体能力が高く、迫力あるダンクは必見です。
シーズン中にはキャリアハイの30得点も挙げ、まだまだ伸びしろのある選手ですからチームもレベルアップしていって欲しいです。
3年目の今シーズンは、得点も平均13.5点から20.7点と大台に乗せ81試合全てでスターターを務めました。
シューターらしく3ポイント率も42%を超え、劇的なブザービーターを決めた試合もありました。
チームもプレイオフまであと一歩という所まで順位を上げてきましたので、来シーズンは期待したくなりますね。
ディアロン・フォックスが選ばれたならバディ・ヒールドも選ばれて不思議はないです。