その年のディフェンスにおいて最も活躍又は高いパフォーマンスを見せた選手に贈られる賞です。
過去の受賞者を見るとディフェンスの要として最後の砦となるゴール下を守りブロックショットなども見せるセンタープレイヤーが多く受賞しています。
また、シュートの確率が5割と考えても2本に1本は落ちてくる訳でリバウンドに関わるのは、ほぼセンターですからやはりビッグマンが多いのは必然です。
強いチームの条件として挙げられるディフェンス力、その中で最も優秀な選手の証となる賞なだけにチームから重宝される存在と言えるでしょう。
メディア投票によりポイントが1番多かった選手が選ばれます。
昨年はユタ・ジャズのルディ・ゴベアが受賞しました。
2018-19シーズン最優秀守備選手賞最終候補
・ポール・ジョージ(オクラホマシティ・サンダー)
・ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
・ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)
この3人です。
ジョージはオフェンスのスペシャリストであると同時にディフェンスの名手でもあります。
今シーズンは平均2.21スティールを記録しスティール王にも輝いています。
チームメイトでディフェンス力の高いアンドレ・ロバーソンが怪我で戦列を離れている為、試合ではハーデンやレブロン、デュラント、レナードといった超一流選手にマッチアップする事も多いジョージ。
オフェンスでチームトップのスタッツを記録しながらディフェンスでも相手のエースにマッチアップするのは非常に過酷な役割ですが、本人は「ぜひともアワード(最優秀守備選手賞)を受け取りたいと思ってる」と語っています。
アデクトンボは反則な程に長すぎる手足を生かしユーロステップやダンクを見せますが、それらはディフェンス時にも有効です。
ターンオーバーから速攻を仕掛けられても、後ろから大きなステップで追いかけ長い手でブロックしたり、ゴール下で完全に振り切られても後ろから手を伸ばせばブロックが届いてしまうというシーンは何度も目にしました。
もちろんリバウンドも平均12.5本と高い数字を残しています。
ただ今シーズンはビックマンのブルック・ロペスが加入した事で、ディフェンスにおいてはロペスと分け合うイメージが強く、他の候補者と比べると1枚落ちる印象も受けます。
2019年NBAアワード「最優秀守備選手賞」はルディ・ゴベアの連覇
昨年に続きジャズのルディ・ゴベアが「最優秀守備選手賞」を獲得しました。
今シーズンは平均ブロック2.3本、12.8リバウンドを記録し、相変わらずリング周りの強さを見せました。
しかし、正直今年は上記の2人と明確な差が付かないほど混沌としていました。
2018-19シーズンのオールディフェンシブチームを見ても1位ゴベア、2位ジョージ、3位アデトクンポでしたが、その差は僅かに3ポイントと誰が受賞してもおかしくなかったのが分かります。
違いがあるとすれば、チーム全体の成績でしょうか。
今季もジャズは平均失点が少なくリーグ全体で見ても3番目の数字でした(106.5点)。
昨年ほどゴベアのオンコート、オフコート時の数字に大きな差はありませんが、ディフェンシブレーティングが2位という事も加味されたかもしれません。
また、控えセンターが弱く存在感の大きさが際立つという気がしなくもありません。
大きな差がない分、挙げたい選手はいるが決め手に欠ける・・・
例えば、平均ブロック2.69本でブロック王に輝いたペイサーズのマイルス・ターナー。
チームもリーグ平均失点1位(104.7点)と非常に高いディフェンス力を誇り、ターナー自身もインサイドでディフェンスの要として活躍しました。
しかしペイサーズは全員が平均的にディフェンス力が高い為、チームを牽引したとは言い難く、ターナーは純正なセンタープレイヤーではないのでリバウンド力も高くありません。
シクサーズのジョエル・エンビートは平均13.6リバウンド、1.9ブロックと数字は良くゴール下にいるだけで脅威になる存在ですが出場時間、パフォーマンス共に安定感が無くファウルも増えがちです。
怪我の不安が無くなればシ-ズン通して高いパフォーマンスを維持できると思いますが、現時点ではクエスチョンが付くでしょう。
ビッグマン以外では、過去に受賞しているラプターズのレナードやウォリアーズのドレイモンドでしょう。
2人とも例年通り攻守で素晴らしい活躍でしたが、今シーズンで考えればジョージのパフォーマンスの方が勝っていたと思います。