
レギュラーシーズンにおいて、ベンチメンバーながら優れた成績を残した選手に贈られる賞。
元々は能力的に6番目の選手であったり体格、スタミナ、年齢で見劣りする選手がシックスマンを務めていましたが、最近はスターターと同等、それ以上の能力がありながらチームの流れを大きく変えられる事やセカンドユニット同士の戦いになった時に優位に立つ為に、敢えてベンチからスタートさせる事もあります。
メディア投票によって決定されます。
昨年はロサンゼルス・クリッパーズのルー・ウィリアムズが受賞しました。
2018-2019シーズン最終候補
今年の最終候補は
・モントレズ・ハレル(ロサンゼルス・クリッパーズ)
・ドマンタス・サボニス(インディアナ・ペイサーズ)
・ルー・ウィリアムズ(ロサンゼルス・クリッパーズ)
の3人です。
モントレズ・ハレルは昨シーズン、ロケッツからクリッパーズに加わり大幅に出場時間を増やすと、平均得点も9.1点→11点→16.6点と右肩上がりになり20点以上挙げる試合も多いです。
ベテランの風格がありますが、まだ4年目の成長著しい選手です。
パワフルなプレイを武器にゴール付近で仕事をするハレルですが、1番の魅力は闘志むき出しでゴールに向かい、チームにエナジーを与えるカンフル剤のような所です。
プレイオフでもウォリアーズ相手に見せた気迫、勢いは素晴らしかったです。
ベンチに若手が多いチームには非常に良いお手本になります。
サボニスは昨シーズン、ポールジョージとのトレードでオラディポと共にペイサーズに移籍しました。
今シーズンは平均14.1点、2.9アシスト、9.3リバウンドと昨シーズンから大きくスタッツを伸ばした訳ではないですが、3ポイント率が35.1%→52.9%、フィールドゴール率が51.4%→59%と確率が劇的に上りました。
中でも外でも得点を取れるサボニスは、同じく才能を開花させエースとなったオラディポとチームの欠かせない戦力になりましたが、オラディポがシーズン途中に怪我で全休に。
チームはプレイオフで敗れたもののマイルズ・ターナーとの連携も良くチーム、自身共に成長できたシーズンと言えるでしょう。
来シーズン万全の状態で挑めれば怖いチームの1つになる事は間違いありません。
2019年NBAアワード「シックスマン賞」は貫禄のルー・ウィリアムズ
これまで「シックスマン賞」を3度受賞したのはジャマール・クロフォードだけでしたが、この偉業に肩を並べたのが2年連続で受賞したルー・ウィリアムズです。
クリッパーズがポール&グリフィン&ジョーダンのトリオを解体してからは、ベンチメンバーながらルーがチームを牽引しましたが、昨シーズンは平均22点を挙げ「シックスマン賞」に輝くもチームはプレイオフを逃します。
今シーズン、ルーの個人スタッツは昨年より下がっていましたが、それでもトップスコアラーとしてチームを引っ張りプレイオフ進出に貢献しました。
また、シーズン中にはベンチ出場での通算得点が1万1,147得点のデル・カリーを抜き歴代トップとなる記録も作りました。
更にキャリア14年目にして初のトリプル・ダブルを達成するなど活躍が止まりません。
勝負所での3ポイントシュートとファウルをもらいバスケットカウントを奪うお家芸は健在です。
プレイオフでもウォリアーズ相手に30点以上挙げ2勝を挙げています。
何より1番驚いたのは受賞後の会見で
「これまでの賞と違うのは、シーズン開幕の時から狙っていたんだ。」
と明かした事です。
キャリア14年目のベテランが競争厳しいこのリーグで最初から狙い実現させてしまうとは凄い以外に言葉が出てきません。
こうなったら来年も狙って史上最多4つのタイトルホルダーになってもらいたいです。
期待したのは怪我、怪我、怪我に泣かされ続けた最年少MVP
個人的に今シーズン「シックスマン賞」を期待していたのは、ミネソタ・ティンバーウルブズのデリック・ローズです。
最年少MVPを受賞して以降、相次ぐ怪我に見舞われ引退説も流れたローズ。
しかし今シーズンは、シックスマンとしてチームに貢献し1試合平均出場時間が27分で平均18得点4アシストを記録し、フィールドゴール率はデビュー2年目に次ぐ48.2%。弱点と言われ続けた3ポイントに至ってキャリアハイの37%と素晴らしいスタッツを残しました。
シーズン中にはキャリアハイの50得点を挙げ、試合後に見せた漢泣きは世界中に感動を与えました。
寡黙でクリーンなプレイをする選手である為、リーグの選手達からもリスペクトされているローズの元には、沢山の祝福メッセージが送られました。
この活躍が評価され2018-19最優秀モーメント賞(Moment of the Year)に輝きました。
来シーズンの更なる活躍に期待します。
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