その年に最も活躍を見せたルーキーに贈られる賞で「最優秀新人賞」や「新人王」とも呼ばれています。
1年目から大きな活躍が出来ている事からも、ドラフト1位でNBAに入って来た選手が多く受賞しています。
ベン・シモンズやブレイク・グリフィン、ナーレンズ・ノエルなどは、シーズンが始まる前に怪我をしてしまい1年目を全休し2年目のシーズンで「ルーキー・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞しています。
これらはレギュラーシーズンに出場していない事が条件であり例え数分でも出場すれば権利は無くなってしまいます。
選定はメディア投票で行われますが、得票が同率の場合はダブル受賞となります。
昨年はフィラデルフィア・セブンティシクサーズのベン・シモンズが受賞しました。
2018−19シーズン「ルーキー・オブ・ザ・イヤー賞」最終候補
今年の最終候補は
・ディアンドレ・エイトン(フェニックス・サンズ)
・トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)
・ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)
の3人です。
エイトンは全体ドラフト1位でサンズに指名され大きな注目浴びました。
その期待に添うように開幕戦から18得点、10リバウンドとダブル・ダブルを記録しました。
最終的なスタッツは71試合中70試合でスタメン出場し平均30.7分で16.3点、10.3リバウンド、1.8アシストを記録。
フィールドゴール率はセンターという事もあり58.5%と高いですが、ミドルシュートの確率も良かったです。やはり現代のNBAではオーソドックスなセンターは生き残れません。
また、シクサーズのエンビートを挑発する素振りを見せるなど図太さも1級のようです。
ヤングはドラフト全体5位でマーベリックスに指名され、その後ドンチッチとのトレードでホークスに入団しました。
188cm、81kgとまだまだ細身の体ではありますが、ガードらしく鋭いドライブからのフローターやロングシュート、アシスト力に定評があります。
特に3ポイントは、ラインの後方から打つ事も多くクイックリリースという事もあり次世代のステファン・カリーと呼ばれています(早過ぎる気がしますが)。
シーズン序盤はイマイチでしたが終盤になるにつれ調子が上がっていくと、史上2人目となるルーキーでありながら1シーズンで1,500得点、600アシスト超えという快挙を達成しました。
最終的なスタッツは81試合に出場し平均31分で19.1得点、3.7リバウンド、8.1アシスト。
フィールドゴール率41.8%、3ポイント率32.4%を記録しました。
2019年NBAアワード「ルーキー・オブ・ザ・イヤー賞」はルカ・ドンチッチ
終盤にトレイ・ヤングが大活躍した事で、どちらが受賞するのかと盛り上がりましたが争いを制したのはドンチッチでした。
ドラフト全体3位でホークスに指名されましたが、トレードでマーベリックスへ入団。
シーズン序盤から、ルーキーらしからぬ安定した活躍を見せたドンチッチは次々に信じられない記録を達成していきます。
史上初の10代でトリプル・ダブルを2回、30点越えのトリプル・ダブル。
史上2人目の50試合で通算1000得点、5試合連続25得点以上など偉業づくしです。
極めつけは最終スタッツが史上5人目の20得点5リバウンド5アシスト以上の達成でした。
ドンチッチのプレイエリアはゴール付近から3ポイントラインまでと広く、フィールドゴール率も42.7%と高いです。
203cmの長身ながらガードもこなせるので、ゲームメイクをしながら自身でもペイント内にアタック出来ます。
スピードが特別速い訳ではありませんが、ヨーロッパ選手独特のドリブルやタイミングで切り込んでいきます。
1on1のスキルも高く、相手を引き付けてパスも出せるのでディフェンスとしても厄介な選手でしょう。
しかし、何でも出来る選手なのでチームの戦術がドンチッチありきになってしまう事も多かったです。
上を目指すには良い傾向とは言えませんが、来シーズンはクリスタプス・ポルジンギスが加入するので解決される筈です。
どんなコンビプレイが見られるのか楽しみです。
荒削りながらも来期以降に期待
もう1人挙げたい選手はクリーブランド・キャバリアーズのコリン・セクストンです。
ドラフト全体8位で入団したポイントガードで、82試合中72試合をスターターとして出場しました。
キャバリアーズはレブロンが移籍した事で低迷しタロン・ルーヘッドコーチの解任、JR・スミストレード要求、ケビン・ラブの怪我など負の連鎖は止まりません。
こういう時にこそ若い力を起爆剤にしたい所でしたが、序盤は思うような活躍が見られませんでした。
しかしシーズンが中盤を過ぎた辺りから徐々に頭角を現します。
持ち前のフィジカルの強さと、中外両方から狙える得点力で存在感を発揮します。
最終的にチームは14位という残念な結果でしたが、セクストンは平均16.7点、2.9アシスト、3リバウンドという数字を記録し、フィールドゴール率43%、3ポイント率40.2%と1年目としては上々な成績を残しました。