2019年のNBAドラフトで八村塁がワシントン・ウィザーズから1巡目9位で指名され、日本人初の快挙を達成しました。
もちろんまだスタートラインに立っただけで、何かを成し遂げた訳ではありません。
しかしシーズンが始まればNBAに八村旋風を巻き起こしてくれる筈です。
ここでは八村が活躍できると思う理由を幾つか紹介します。
すでに怪物だった子供時代
八村は富山県でベナン人の父親と日本人の母親との間に生まれたアフリカ系のハーフです(アフリカ系のハーフのアスリートは他にオコエ瑠偉、宮部藍梨、サニブラウンなどがいます)。
八村は幼少期から体格や身体能力に恵まれ、小学校5年生の頃には陸上で100メートルを13秒81のタイムで走り県大会を優勝した事があります(小5では14.9秒以下でかなり速いらしいです)。
また野球にも熱中していて才能もあるピッチャーだったそうですが、続けられなかった理由が
「八村が投げる剛速球を誰も捕れなかったから」
という漫画みたいな怪物エピソードがあります。中学に入り強引に誘われてバスケットと出会いました。
10代半ばから国際試合を経験
八村は高校生の頃にU-16日本代表に呼ばれ、チームの中心となりアジアU-16選手権で3位に入り翌年の世界選手権出場を手に入れます。
迎えたU-17世界選手権ではアメリカ、スペイン、フランスなど強豪国16チームが集まりましたが、日本は14位に終わります。
しかし世界の強豪と戦い強さを肌で感じられたのは非常に大きな経験だったと思います。
更に八村はこの大会で平均得点・総得点の両方で1位になりました。
若い時期から世界のトップと戦った経験はNBAに入ってからの活躍に役立つ筈です。
NCAAランキングトップクラスのゴンザガ大学へ入学
世界選手権の活躍が評価され、アメリカの強豪校からスカウトされた八村が入学したのはゴンザガ大学でした。
しかし強豪校である為、大会では1年生である八村には僅かな出場時間しか与えられません。
結局1年目は28試合に出場するものの、出場時間は平均4分程で2.6得点でした。
シーズンオフにはU-19世界選手権に出場し、日本代表として平均20.6得点という大会2位の記録を残しました(ちなみに得点1位は今年のドラフトで3位指名されたRJ・バレットでした)。
続く2年目、出場時間は平均20.7分と増えましたがシックスマンとしての出場で得点は11.6点と大きな活躍とは言えませんでした。
そして結果的に最後の年となった3年目は、チームのエースに成長し全試合スターターで出場すると平均30.2分、19.7点、6.5リバウンドのスタッツを記録しました。
この大学での経験が大きいのは言うまでもありませんが、何より凄いと思ったのは1年毎の成長力です。
努力を重ねながら着実にスタッツを上げ、活躍するようになっています。
この驚異的な成長力はNBAに入団してからも期待出来るでしょう(ちなみに身長もまだ伸びているそうです)。
もう1つ活躍に繋がる鍵は語学力です。
元々英語は苦手だった八村ですが、在学中に努力して勉強しペラペラになったそうです。
NBAに入ってから覚えるのではコミュニケーションを図るのに時間が掛かってしまいます。
入団前に英語をマスター出来たのは大きな意味を持つでしょう。
日本の怪物から世界の怪物へ
八村は驚異的な身体能力を持っていますが、決して天才肌の選手ではないと思います。
元々備わっているものだけで戦える程、プロの世界は甘くありませんし世界には身体能力が高い人間はいくらでもいます。
だからこそ若い頃から世界と戦い、アメリカの大学に進み常にバスケットのスキルを高めながら努力に努力を重ね「言葉」や「文化」の違いも克服してきました。
これだけの事をやってきた八村ですからNBAでも活躍してくれるでしょう。
2019-20シーズンが今から楽しみです。