NBAドラフト2019で八村塁が日本人初の1巡目指名され、NBA入りした事でバスケット界は大盛り上がりとなりました。
これで日本人のNBAプレイヤーは3人目となります。
日本人初となったのは田臥勇太です。
175cmという小柄な体格ながらNBAのサマーリーグに参加し2004年にフェニックス・サンズと契約しデビュー。
キャリアとしては4試合に出場し合計17分、7得点3アシストで終えました。
そして2人目が昨シーズンデビューを果たした渡邊雄太です。
田臥と同じくサマーリーグからメンフィス・グリズリーズと2-way契約を結んだ苦労人です。
ここでは八村類だけじゃなく渡邊雄太も凄いんだという事を紹介します。
渡邊雄太のこれまでの経歴
バスケットに携わる親の元に生まれ小学1年生で自身もバスケットを始めました。
徐々に上達していき中学では、香川県の選抜チームのメンバーに選ばれました。
高校に入ると1年の時から活躍し2,3年の時には全国大会で2年連続の準優勝を果たし、全国ベスト5に選ばれています。
卒業後は、以前から決めていたというアメリカ留学をしました。
周囲からは反対されたそうですが、日本人初のNBAプレイヤー田臥勇太の後押しが決め手となったそうです。
渡米後はプレップスクール(大学進学の準備をする学校)を経てジョージ・ワシントン大学に進学します。
1年目から徐々に出場時間、得点、リバウンド、ブロック数を伸ばしていき、4年目にはキャプテンの1人となりディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーなどのタイトルを手にしました。
しかしドラフトには指名されず、大学卒業後はブルックリン・ネッツのサマーリーグに参加します。
そこでのプレイが評価されメンフィス・グリズリーズと2-way契約をしました。
NBA2018-2019シーズンを振り返る
プレシーズンではホークス、ペイサーズ、マジック、ロケッツと戦い2ケタ得点やブロック、ダンク、値千金の3ポイントを決めるなど大きな活躍を見せました。
そしてシーズンが始まり迎えた10月27日、サンズ戦でNBA公式戦デビューを果たします。
試合自体はグリズリーズの勝利が確定した4Qの4分間だけでしたが、渡邊にとっては出場する試合全てが勝負です。
この試合では2得点、2リバウンドを記録しました。
最終的に渡邊は昨シーズン15試合に出場し平均11.6分、2.6得点のスタッツでした。
更にGリーグでは33試合出場し平均14.2得点、7.6リバウンドを記録する活躍を見せました。
「定着」を目指す熾烈な争い
NBAリーグでの数字は渡邊本来の力から考えると物足りない気がしますが、生き残りを懸けているのは渡邊だけではないので仕方ない事でしょう。
ロスターは15人ですが、スターターを除けば出場時間を多くもらえるのは4~5人位で(怪我人が多ければ別ですが)その他の選手は全員、与えられた僅かな時間でコーチ陣にアピールしなければなりません。
出場機会の「定着」を目指す選手にとっては相手チームに勝つよりも、まずはチーム内の争いに勝つ事が重要です。
仮に2019-20シーズンで渡邊が本契約を結びロスター入りを果たしてもこの構図は変わりません。
NBAという舞台で確立したポジションに付くという事は、それだけ過酷で至難の業と言えるでしょう。
しかし高校生の時からアメリカで戦う事を決め、大学では努力の末にチームを牽引する存在に成長しサマーリーグから2-way契約までこぎつけた渡邊なら、このタフで熾烈な争いに勝ってくれる筈です。