2018-19シーズンは念願のNBAデビューを果たし、田臥勇太以来となる日本人2人目のNBAプレイヤーになった渡邊雄太。
田臥勇太の記録を大きく塗り替え15試合の出場、平均11.6分、2.6得点を記録しました。
しかし喜んでばかりもいられないのが現状で、2way契約の2年目となる2019-20シーズンは渡邊にとって試練の年になります。
そこで、本契約を取るには何が必要でどうすれば良いのかを考察してみます。
そもそも2way契約とは?
渡邊が現在グリズリーズと交わしている2way契約とはNBAとGリーグ(NBAの下部リーグ)の両方でプレイできる契約です。
しかしこの契約には幾つかの条件があります。
・契約できるのはルーキーからキャリア4年以内の選手だけ
・契約を結んだ選手は15人までのロースター枠に含まれない
・1チームで最大2人と契約できる
・同じチームとは2年間しか2way契約を交わせない
・契約した選手は1シーズンで最大45日までNBAチームに所属出来る
・2way契約の選手はプレイオフに出場できない
大体このような感じになっています。
渡邊にとって1番の問題は太字にした「同じチームとは2年間しか2way契約を交わせない」です。
つまり渡邊は2年目となる2019-20シーズンで是が非でもグリズリーズと本契約を交わせなければなりません。
本契約に必要なのは攻守における確かな強み
チームに必要だと思わせるには、当然試合の中で自分の強みを見せるしかありません。
渡邊は、Gリーグにおいては昨シーズン33試合に出場し32試合でスターター起用され平均14.2得点、7.2リバウンド(チーム1位)、2.6アシスト、1.1ブロックと上々な成績を残していて、能力の高さはチームも分かっているでしょう。
問題はNBAのトップ選手達の中で発揮できるかという所です。
渡邊の強みは何と言ってもディフェンス力とシュートエリアにあります。
ディフェンスは腕の長さや機敏な動きでセンター以外にはマッチアップする事が可能で評価もされており、実際にジョージワシントン大学時代にディフェンス・オブ・ザ・イヤーに選ばれています。
スイッチディフェンスが多いNBAでは、多くのポジションを守れる選手が重宝されます。
オフェンス時には、カットインしながらフローターやダンクも出来ますし、ミドルやロングシュートも打てます。
ディフェンスをスイッチさせて、センターとマッチアップすれば引き付けてインサイドにパスを出したり、自らドライブで抜く事も可能です。
3ポイントの確率を挙げれば更に攻撃オプションが広がります。
グリズリーズは、長年チームを牽引したマルク・ガソルが移籍しマイク・コンリーも移籍が決まりました。
その為2019-20シーズンはプレイオフを狙うよりチームの再建を図る年になりそうなので渡邊の出場する機会も増えそうです。
2way契約でも実績を残せる選手はいます
最も知られる2way契約で実績を残したのはウォリアーズのクイン・クックでしょう。
当初はキャバリアーズ、ペリカンズ、ホークスなどと契約するもウェイブされ続けます。
しかし2way契約したウォリアーズでは、カリーの怪我により出番が増えた所で結果を残し、複数年契約を締結しチャンピオンリングも手に入れました。
他にも30試合に出場し平均28.4分9.7得点3.5リバウンド2.4アシストを記録したクリッパーズのタイロン・ウォーレスやポルジンギスの怪我によりチャンスを生かし正式に契約したニックスのルーク・コーネット、昨シーズンでレブロン以外に唯一30得点、10リバウンド、5アシスト以上を記録したレイカーズのアレックス・カルーソなどがいます。
やはり全員に共通しているのは、故障者などが出た時や出番が回ってきた時にハッキリとした結果を出したという事です。
誰でも出来る事ではないですし、言う程簡単ではないですが、渡邊雄太なら必ずやれると思っています。