
福岡大学付属大濠高校――卒業生には大学やBリーグで活躍する選手も多く、言わずと知れたバスケットボールの名門校であり、また実は県下有数の進学校でもある。
チームニックネームはトロージャンズ。
チームカラーはトリコロール。
昔からファンを魅了する伝統校だ。
福岡県のバスケットボールのレベルは非常に高く、同じ福岡地区にはこちらも名門福岡第一高校がある。
・・・全国有数の激戦区なのだ。
ここ最近では福岡第一を前に公式戦10連敗中だ。
バスケ王国福岡で打倒福岡第一に燃えるトロ―ジャンズたちの戦いをまとめてみる。
時には仲間として
常にライバルとして切磋琢磨し続ける福大大濠・福岡第一の両校も、福岡県代表ともなれば高校オールスターともいわれる最強チームとなる。
2018年福井国体では福岡県は福大大濠と福岡第一の混成チームで出場。
スターティングメンバーは福岡大濠の中田嵩基、浅井修伍に加え福岡第一の松崎裕樹、河村勇輝、クベマ・ジョセフ・スティーブで構成。
スタメン中4人がU18日本代表で、ベンチにはさらに福大大濠から横地聖真(U18日本代表)、土家大輝や木林優(U18日本代表候補)らがロースターに名をつらねていた。
決勝ではインターハイ準Vの中部第一高を主体に、高校年代屈指のシューター富永啓生を加えた愛知県に対し、福岡県は第1ピリオドから34-9と突き放した。
結局そのまま最終スコアは101-76。
圧巻の戦いぶりだった。
大会直前の練習は3回しか行っていないにもかかわらず、選手がしっかりチームにフィットしたチームとなった。
圧倒的な実力で優勝を勝ち取った仲間は、翌日からは一転して最強かつ最大のライバルとなる。
現・片峯コーチも大濠出身
チームの指揮を執っている片峯聡太コーチは、橋本竜馬(琉球ゴールデンキングス)、金丸晃輔(ともにシーホース三河)の高校時代の一つ上の先輩。
早くから指導者への道を志し、筑波大学卒業後の2010年より母校の指導者となったが、Bリーグでプレーしていてもおかしくはない実力者だった。
大学時代の後輩にあたる田渡修人(三遠ネオフェニックス)も、尊敬する人の一人として片峯コーチの名前を挙げるほどだ。
彼のバスケットは、オフェンシブなコーチではなくディフェンスを重要とするディフェンシブ・コーチ。
脚作り、脚力作りから3年間かけてじっくりと選手、チームを作るようなコーチングスタイルだ。
彼が現役時代、故・田中國明前監督時代は1対1に長けた選手がズラリとそろい、オフェンス8割と言っても過言ではないほど、“イケイケ”なチームだった。
後継者の片峯コーチはそのエッセンスも引き継ぎつつ、ディフェンスへの比重も高めていきた。
全国への切符は1枚・・・ライバル福岡第一井手口監督の思い
2018年ウィンターカップ予選福岡県決勝――男子は福岡第一が79-71で福大大濠を下し、3年連続11度目の全国大会出場を決めた。
ハイレベルな試合を制した福岡第一の井手口孝ヘッドコーチは
「勝って嬉しいけど、こんなに辛い試合はない。全国大会でこの2チームを戦わせたかった。絶対に優勝して帰って来る」
とライバル校の思いを背負う覚悟を示した。
両校ともにレベルの高い選手が揃うあまり、アンダーカテゴリーの日本代表に福大大濠から3人、福岡第一からは2人と主力メンバーが選出された。
2018年のインターハイではFIBA(国際バスケットボール連盟)U-18アジア選手権と日程が重なり、主力を欠く両校は決勝進出を逃してしまったのだ。
これまではインターハイの決勝進出でウインターカップ全国大会出場権を獲得でき、一方のチームが
県予選を勝ちあがり、そろってウインターカップ全国大会に出場したが、今年は叶わず1枠を争った形となった。
この戦いは事実上の全国決勝ともいわれ、両校の選手たちが持てる力を出し切る姿は見る人の心を打つ名勝負となった。
その後福岡第一は「圧倒して優勝」を目標に本戦でも順当に勝ち上がり、すべての試合を20点差以上をつけ、決勝でも43点差で勝利し圧倒的に優勝してみせた。
福大大濠という「最強の敗者」の思いも背負っての優勝だった。
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新チームの始動
ウィンターカップ予選の敗戦後、片峯監督のもと新チームが福岡第一よりも一足先に始動した。
惜しくもインターハイ予選予選では決勝リーグで唯一福岡第一に78-71で敗れたものの、新チーム後すぐに行われた新人戦や九州大会の大敗から1桁得点差に迫る戦いぶりでチームが大きく成長したことが伺えた。
新チーム発足後の年明けから
「焦らずじっくりチームを作り春に形になるように」
という片峯コーチのプランがしっかりフィットしてきたようだ。
全国の舞台で福岡決戦を見れる日はそう遠くはないかもしれない。
今後もバスケ王国福岡の両チームから目が離せない。
日本代表比江島慎も大濠に尻込み?!
比江島は福岡の百道(ももち)中学校に在籍時に福大大濠と福岡第一から推薦をもらったが進学先は京都の洛南に。
比江島曰く
「特に大濠は、本当に九州中のうまい選手が集まってくる高校なので、そのレベルでやれると思えなかったんです。試合に出られそうもないのでお断りしました。」
今や世界で活躍するプレーヤでさえ尻込みしていた大濠高校。
今後も大濠を巣立ったプレーヤー達の活躍にも期待したい。
日本屈指のオールラウンダー「比江島慎」ってどんな選手? プレイスタイルは?出身校や実績は?
【文:サイフラップウーマン】