クリス・クレモンズ
ポジション ポイントガード
生年月日 1997年7月23日
年齢 21歳
身長 175㎝
体重 82kg
大学 キャンベル
ドラフト ドラフト外
所属 ヒューストン・ロケッツ
2019年のサマーリーグが終了し、次はいよいよプレシーズン、NBA開幕を待つばかりとなりました。
今年はドラフト上位勢の欠場者が多く、例年に比べ様々な選手の活躍が伝えられました。
八村や渡邊の日本人選手や身長が231 cmもあるタッコ・フォールも話題になりました。
そんな中、個人的に気になる選手を発見しました。
ドラフト外で175㎝という小柄な体型ながら、得点を量産していたクリス・クレモンズです。
ここではクレモンズが残してきた成績を中心に紹介します。
サマーリーグでの活躍
クレモンズは、デビュー戦となったマーベリックスとの試合で驚きのパフォーマンスを見せます。
試合序盤から3ポイントを連続で決めると、豪快なアリウープで会場を沸かせます。
その後もアシストやリバウンド、スティールなどで活躍を見せると極め付けは3ポイントラインの遥か後ろから、ロング3ポイントを決めました。
初戦ながら7本の3ポイントを含む25得点、2リバウンド、2アシスト、2スティールを記録しました。
続くブレイザーズ戦でも、3ポイントラインの後方から躊躇なくシュートを放ち決めていきます。
また、小さな体を活かし相手を翻弄するドライブなどでファウルを奪い、この試合で7本のフリースローを全て決めています(プレイする姿がデリック・ローズの雰囲気に似ていると思うのは私だけでしょうか?)。
ディフェンスでもスティールやリバウンドで貢献しました。
この日のクレモンズは19得点、5リバウンド、4スティールというスタッツでした。
3試合目のキングス戦も6本の3ポイントを決め20得点を挙げます。
4戦目のジャズとの試合では3ポイントは3/12と確率が悪かったですが、絶妙なカットインからのレイアップなどゴール付近やフリースローで得点を重ねます。
他にもスティールやバックビハインドパスを見せ、訪れたマイク・ダントーニH.Cにアピールしました。
最終スタッツは19得点、5リバウンド、3アシスト、1スティールでした。
最終戦のナゲッツとの試合ではリバウンド数10本という驚きの数字を記録します。
得意の3ポイントも3本決めましたが、その内の1本はフェイントでディフェンスを翻弄しながら体をぶつけ放った4点プレイになりました。
他にもダブルクラッチやチップショットで得点を挙げ18得点、10リバウンド、3アシストのダブル・ダブルでサマーリーグを締めくくりました。
5試合トータルでは平均27.5分、20得点、4.4リバウンド、2アシスト、1.6スティールでフィールドゴール率は38%、3ポイント率は42%という数字でした。
魅力と課題
クレモンズの魅力はスタッツを見て分かるように3ポイントです。
カリーさながらの3ポイントラインの後方から放つ姿は見る人を魅了します。
サマーリーグでは1試合11.4本打っての42%なので、かなりの高確率と言えます。
また、アイザイア・トーマスやネイト・ロビンソンと同じ身長でありながら4.4リバウンドという数字も凄い事だと思います(2人共キャリアで2.3本程度)。
ダンクも出来る驚異の身体能力やマッチョな肉体だから可能な芸当でしょう。
ディフェンス時には、ミスマッチを作られても体を入れさせない様なポジショニングで対応できていました。
逆に課題はフィールドゴール率とアシストです。
平均20得点は立派ですが、アテンプトが平均16本での38%は低い数字です。
ディフェンスを抜き去るスピードがあるので、もっとドライブでアタックして欲しかったです。
大学時代はフィールドゴール率45%近くを記録しており4年生の時には平均で30得点を取っていました。
アシストもポジションを考えれば少ないと思います(大学でも平均2.6)。
もちろん味方が決めてくれなければアシストは記録されませんが、サマーリーグで持ち味をアピールしたいという気持ちが強いからか、ゴール付近で空いている選手がいるのに3ポイントを打ってしまうシーンも何度か見られました。
完全なシューターになるなら別ですが、この身長でアシストやゲームメイクが出来ないとNBAで出場時間を伸ばすのは難しいと思います。
ロケッツとの相性
ロケッツと言えば先日クリス・ポールとウエストブルックの衝撃的なトレードが成立し、個の強い2人が共存できるのか話題になりました(個人的には上手くいかないと思っていますが)。
これにより超攻撃的なデュオが誕生した訳ですが、ロケッツの強みはハーデンの得点力とチーム全体での3ポイントです。
ドライブ力の高いウエストブルックが加わった事で、ディフェンスはより一層インサイドに寄る事になるでしょう。
そうなればゴードン、タッカー、リバース、ジェラルド・グリーンが3ポイントを打つ機会が増えると思います(残留すれば)。
そういう意味では3ポイント確率の高いクレモンズは、ロケッツと相性が良いのではないでしょうか?
更にドライブ力の向上やパスが捌けるようになれば、セカンドユニットなら出場機会を増やす事も可能だと思います。
同じ身長ながらNBAのスターダムにのし上がったアイザイアも、ドラフト時には最下位の60位でした。
しかし彼は評価が間違っていた事、小さくても活躍できるという事を与えられた時間で証明しました。
クレモンズも第2の「小さな巨人」になってもらいたいです。
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