1年振りにNBA復帰を果たしたカーメロ・アンソニーはかつての輝きを取り戻せるか?

2018年11月にヒューストン・ロケッツを退団して以降、所属チームが見つからず実戦から遠ざかっていたカーメロ。

35歳という年齢を考えても引退や海外リーグへの移籍が濃厚と思われていましたが、2019年11月19日にポートランド・トレイルブレイザーズへの入団が発表されました。

この記事では、これまでカーメロが残してきた実績や今シーズン・今後の展望などを分析したいと思います。

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カーメロ・アンソニーこれまでの経歴

シラキュース大学では1年生ながらエースとしてプレイし、NCAAトーナメントを制覇するなどその名を轟かせていたカーメロ。

2003年のドラフトでは全体3位で指名されデンバー・ナゲッツへ入団します。

 

NBAでも1年目から全ての試合に先発出場し、平均21得点を挙げ新人王こそレブロンに譲りますが抜群の得点能力を発揮します。

 

2,3年目も着実に得点を積み重ね、史上2番目の早さで通算5000得点を記録します。

4年目の2006-07シーズンには自身のキャリアハイとなる、平均28.9得点を記録しました。

その後もカーメロは高い得点能力を維持しますが、チームは優勝に程遠くプレイオフ進出が精一杯でした。

2011年に名門ニューヨーク・ニックスにトレードで移籍すると、チームにフィットするのに時間は掛かりましたが、エースとして活躍を見せ2012-13シーズンには平均28.7得点を挙げ待望の得点王に輝きました。

翌2013-2014シーズンではキャリア初の62得点を記録しますが、チームは低迷しプレイオフを逃してしまいます。

更に2014-15シーズンは膝の故障で欠場が増え徐々にパフォーマンスを落としていきます。

 

チームが再建期に入り若手主体になった事でカーメロは2017年にオクラホマシティ・サンダーに移籍します。

ラッセル・ウェストブルック、ポール・ジョージと共にビッグ3の活躍が期待されましたが、チームにフィットせずキャリア最低の平均16.2得点に終わり1年で退団。

その後ヒューストン・ロケッツに加入するものの、ここでもチームにフィットせず僅か10試合の出場に止まり退団します。

そして1年間の時を経てブレイザーズに入団しました。

エリート街道から一転、扱いづらい選手に

大学・ナゲッツ・ニックスとチームの中心人物であり続けたカーメロが、ニックスを退団後はチームにフィットしない扱いづらい選手のようなイメージになってしまいました。

その原因は2つあると考えており、1つはカーメロのプレイスタイルです。

得点能力の高いカーメロが好むプレイは1on1であり、そのスキルはレブロンやデュラントにも引けを取らないと思います。

しかし、これはチームのエースとしてのスタイルであり典型的なハーフコートオフェンスです。

今のカーメロを欲しがるチームは、今までのようなエースとしてのスタイルではなくオフェンスの2.3番手のオプションを望む事が多いはずです。

ですが、それではカーメロ自身のパフォーマンスが上がらず結果的にシュート確率を大幅に下げフィットしなかったのではないかと思います。

また、ディフェンス力の低さや速攻型のタイプではない事も大きな要因だと思います。

 

もう1つは加入したチームです。

サンダーは速攻の多いチームですし、ハーフコートではウエストブルックが攻撃を組み立てます。

1on1にしてもディフェンス力が高く走れるジョージの方が優先順位で上になってしまいました。

ロケッツでは自身の使われ方に不満を唱えた事やチームが開幕から成績不振だった事もあり、早すぎる見切りを付けられています。

長い間エースとして戦ってきただけに、出場時間の減少やベンチからのスタートを受け入れられなかったのが最大の原因でしょう。

ブレイザーズでのプレイ内容

 11月20日、約1年振りにコートに戻ってきたカーメロは先発出場でフィールドゴール率こそ28%と低かったですが、3ポイント2本を含む10得点を挙げました。

すると復帰3戦目では25得点、8リバウンドを記録しフィールドゴール率も50%と1年間のブランクを感じさせないパフォーマンスを発揮しました。

プレイ内容も、ディフェンスとの間合いをとってのジャンプシュートやドライブで切り込み体をぶつけながらの得点などカーメロらしさ全開の姿が見られました。

11月30日には23得点、11リバウンドのダブル・ダブルを記録するなど能力の高さを実感すると共に改めて魅力的な選手だと感じました。

ブレイザーズはリラードとマッカラムを軸としたチームですが、元々2人以外の得点力が課題だった上、攻守で活躍できるヌルキッチが負傷離脱中なのでカーメロの得点力はチームにフィットしていきそうです。

11月末時点でのスタッツは

出場時間30.7分、17.7得点、2.2アシスト、6リバウンド、フィールドゴール率46.2%、3ポイント率37%、フリースロー率80%です。

今後の展望

復帰後は全試合に先発出場し、ダンクまで見せるなど流石としか言いようのない活躍を見せているカーメロ。

懸念されているディフェンス面も今の所は問題ありません。

自身も調子の良さを実感しているようで

「俺は自分に何ができるか分かってるし、自分のことを信じてる」

とコメントしています。

とはいえ1年間のブランクや年齢を考えても、シーズンが終盤に向かうに連れ怪我の可能性やパフォーマンスの維持には不安が残ります。

チームの順位が11月末時点では10位とイマイチ波に乗り切れておらず、仮に終盤までプレイオフ争いをする事になれば負担は更に大きくなるでしょう。

今シーズンは勢力が大きく変わっているのでブレイザーズがどこまでやれるのか分かりませんが、カーメロが輝きを取り戻せば上位に行ける事だけは間違いないでしょう。