
毎年シーズン終了後に行われているNBAアワード。
過去には怪我やスランプなどで評価を落とし、その後復活を遂げた選手に贈られるカムバック賞がありましたが現在は行われていません。
しかし、今シーズンはその名に相応しい選手が数名いますので
「勝手にNBAアワード」
と題し独断と偏見で紹介します。
カーメロ・アンソニー(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
2020年1月末時点の個人スタッツ
平均32.5分出場、15.8得点、1.6アシスト、6.6リバウンド、1スティール、FG・42.6%、3P・36.9%、FT・84%。
シラキュース大学、デンバー・ナゲッツ、ニューヨーク・ニックスでエースとしてキャリアを送ってきたカーメロにとって近3シーズンは悪夢のような日々でした。
2017-18シーズンはサンダーに入団するもチームにフィットせず翌年にはロケッツへ移籍。
しかしここでもフィットする事なく僅か10試合の出場だけで退団し、その後は約1年間所属チームがないまま引退説まで囁かれました。
ところが昨年11月、怪我人が出たため得点を取れる選手を求めていたブレイザーズと契約を交わしNBAに復帰。
1年間のブランクをものともせず、試合を重ねる毎にパフォーマンスを上げていき週間最優秀選手にも選出されました。
全盛期の活躍には及ばないものの1on1スキルの高さは健在で、得点不足に悩むブレイザーズにとって欠かせない選手になっています。
現在チームはカンファレンス9位とプレイオフ進出に向けて厳しい戦いを続けていますが、怪我人が戻ってくれば更なる高みを目指せる筈です。
本人が「俺はこのチームでキャリアを終えるべきだと感じている」とコメントしている通り、年齢を考えても悲願であるチャンピオンリングをこのチームで掴みたいでしょう。
ドワイト・ハワード(ロサンゼルス・レイカーズ)
2020年1月末時点の個人スタッツ
平均19.9分出場、7.4得点、0.7アシスト、7.7リバウンド、1.4ブロック、FG・72.4%、3P・60%、FT・46.9%。
かつてはNBA最強のセンターと呼ばれ攻守において凄まじい活躍を見せたハワードですが、近年は多くのチームを渡り歩くと共に怪我も多くなっていました。
昨シーズンはウィザーズに所属していましたが、ヘルニア手術のため9試合の出場に終わりグリズリーズへトレード。
その後レイカーズに移籍が決まるものの、フィットしないのではないかと言われましたがディフェンスを中心にチームの勝利に貢献しています。
ハワードの活躍の裏にはチームの為に自分を捨てベンチからの出場を受け入れた事にあります。
これまでハワードは全ての試合に先発出場し、ポストアッププレイで得点を挙げるのが好きな「気分屋」でしたが現在その姿は全くありません。
当然出場時間は大幅に減りスタッツはキャリア最低な数字になっていますが
「どこでチームの役に立てるかを見ている」
と語り楽しみながらプレイしています。
確かに今のプレイを見ていると集中力が高く素晴らしいブロックやスクリーナーになって味方を生かすなど献身的な姿が多く見られます。
その姿にチームメイトも刺激され結果的にチーム全体が一体感を生み勝利に繋がっていると思います。
優勝の為に全てを懸けるハワードの姿はカムバック賞に相応しいのではないでしょうか?
クリスタプス・ポルジンギス(ダラス・マーベリックス)
2020年1月末時点の個人スタッツ
平均30.6分出場、17.8得点、1.4アシスト、9.1リバウンド、1.8ブロック、FG・40.7%、3P・34.6%、FT・76.1%。
ニックス時代の2018年2月に左ひざ前十字じん帯断裂という大怪我負ったポルジンギス。
リハビリを続けていく中で昨年2月にはマーベリックスとのトレードが決まりドンチッチとポルジンギスの若きデュオ誕生は大きな話題になりました。
そして2019-20シーズンのプレシーズンで約1年8ヶ月振りの復帰を果たしました。
開幕戦からスターターで起用されると長いブランクを感じさせない23得点、4リバウンド、1スティール、1ブロックを記録しチームの勝利に貢献。
その後もインサイド・アウトサイドの幅広い攻撃エリアを駆使しながら得点を重ねると共にリバウンドも量産していきます。
相棒のドンチッチも凄まじい活躍を見せ若きデュオがチームを牽引しながら快進撃を見せ、現在ウエスタン・カンファレンス6位と上々の位置に付けています。
ポルジンギスは得点こそニックス時代より劣っていますが、リバウンド数はキャリアハイを記録するなど素晴らしい復活を遂げています。
これから終盤にかけてスタッツはまだ伸びそうなので、個人・チームの更なる躍進が楽しみです。