
2019-20シーズンも半分を過ぎてリーグの順位も徐々に差が付き始めましたが、イースタン・ウエスタンカンファレンス共に優勝候補に挙げられたチームが上位をキープする結果になりました。
特にミルウォーキー・バックスは1月末時点で唯一40勝以上挙げたチームであり、頭一つ抜き出した存在になっています。
この記事では前半戦でのバックスの快進撃や強み、後半戦に向けての展望などを分析します。
大きな動きを見せなかったオフシーズン
レイカーズ・クリッパーズ・ネッツ・ロケッツなど近年では驚くほどビッグネームが動いた今年のオフシーズン。
しかしバックスはマルコム・ブログドンとニコラ・ミロティッチの放出くらいに止まりました。
確かにブログドンは良いガードですが、チームにはブレッドソーがいますし控えにはベテランのジョージ・ヒルもいます。
ミロティッチに関しても代わりにウェスリー・マシューズ、カイル・コーバーという強力なシューターを獲得しています。
つまり昨シーズンにプレイオフまで戦ったメンバーとケミストリーが高まった状態でシーズンを迎える事が出来たわけで、これはメンバーを動かしたチームと比べ大きなアドバンテージになっています。
現在バックスのスターターはエリック・ブレッドソー、ウェスリー・マシューズ、クリス・ミドルトン、ヤニス・アデトクンボ、ブルック・ロペスが務めています。
3ポイントを効果的に利用したオフェンス力
1月末時点でバックスの得点数は120点とリーグ1位を記録しており、その原動力となっているのが昨シーズンから飛躍的に増えた3ポイントです。
昨シーズンはアテンプト数・成功数がリーグ2位を記録し得点数は1位。
今シーズンもここまでアテンプト数・成功数が4位と高い数字をキープしています。
これを可能にしているのはセンターのロペスを含めた全員が3ポイントを打てる事やアーサン・イリヤソバ、カイル・コーバー、ジョージ・ヒルなどベンチメンバーにも高い確率で3ポイントを決められる選手が揃っている層の厚さです。
また、全員がワイドに広がる事でゴール付近ではアデトクンポが1on1を仕掛けやすい状況が生まれます。
アデトクンポを1人で止めるのは至難の業ですし、ダブルチームを仕掛ければアウトサイドにパスを捌かれてしまうのでディフェンスとしては非常に抑えにくい構成になっています。
中からも外からも効率よく得点を重ねられる、これこそがバックスオフェンス最大の強みになっています。
攻撃に引けを取らないディフェンス力
攻撃力ばかりに目が行きがちですがバックスはディフェンス力も高いチームで、現在失点数は107.6点とリーグ9位に付けています。
1番の特徴はリバウンド力にあり、ディフェンスリバウンドに至っては2位の35.4本(ロケッツ)を大きく上回る42.1本を記録しています。
これにより相手チームにセカンドチャンスを与えず、逆にファストブレイクを仕掛け得点に変えてしまう事が多いです。
また、個々のディフェンス力も高くアデトクンポ以外にもブレッドソーやミドルトンのスティール、平均2.6本を記録するブルック・ロペスのブロックショット、今シーズンから加わった弟のロビン・ロペスなどが献身的なプレイを見せています。
言うほど簡単な事ではありませんが、得点力が高く失点数が少ないチームですので強いのは当たり前ですね。
今後の課題と後半戦の展望
これまで3ポイントの確率の悪さが課題になっていたヤニスですが、今シーズンは波があるものの32%まで上がっていてきています。
チームスタッツを見ても全ての項目を高い数字で記録しており、ベンチメンバーも充実しています。
そういう意味でも穴が少ないチームですが、これまでの試合では3ポイント率が3割を切る場合や、ペイント内での得点を上回られた場合に敗れるケースが多くなっています。
とは言え、そのようなケースで勝っている試合もありますし7敗しかしていないので直接的な敗因とは決めつけられませんが、今後のポイントになるかも知れません。
後半戦の展望としてイースタンではディフェンディングチャンピオンのラプターズ、新生セルティックス、個性派ぞろいのヒート、エースのオラディポが復帰したペイサーズがライバルとなってきそうです。
低迷しているシクサーズもプレイオフに入れば怖い存在になるでしょう。
ウエスタンでは、やはり着実にチームケミストリーを上げてきているロサンゼルスの2チームがライバルとなりそうですが、こちらはファイナルに進まなければ対戦できない相手なので今はそれほど意識していないでしょう。
言うまでもなく最終目標はチャンピオンリングですが、その為にもまずはイースタン・カンファレンスを1位通過する事が当面の目標となりそうです。