ビンス・カーター~ハーフマン・ハーフアメイジング~ 22年のキャリア振り返る   第3章~唯一無二のダンカーからユーティリティープレイヤーへ

ラプターズからネッツに移りキッド・ジェファーソンと共にビッグスリーを結成。

新天地で優勝を目指すものの怪我などもあり、思ったような結果を残せずチームの不調も影響しビッグスリーは解体。

ネッツは若手主体の再建期に入った為、カーターはオーランド・マジックへ移籍します。

ここからは30歳を過ぎベテランの域に入ったカーターがジャーニーマンとなってチームを渡り歩いたオーランド・マジック、フェニックス・サンズ、ダラス・マーベリックス時代を振り返ります。

ビンス・カーター関連記事はこちら

twitterやっています!フォローお願いします!

徐々に見え始める衰え

 カーターが移籍した当時のマジックはリーグNO.1センターの呼び声高かったドワイト・ハワードが大黒柱を務めるチームでライアン・アンダーソン、ラシャード・ルイス、J・Jレディックらが所属しており、2008-09シーズンにはNBAファイナルまで進む強豪チームでした。

2009–10シーズンのカーターは75試合中74試合でスターター出場すると、入れ違いでチームを去った主力のヒド・ターコルーに代わりチームの勝利に貢献します。

カーターの活躍もあり安定の強さを見せたマジックはプレイオフに進出し1.2回戦をスイープで勝利。

しかし3回戦ではセルティックスに一歩及ばずカンファレンス決勝敗退となりました。

プレイオフでも14試合全てにスターター起用され頼れるベテランとして存在感を発揮したカーターですが出場時間、得点、アシスト、リバウンド数はキャリアワーストを記録するなど肉体的な衰えは隠せませんでした。

 

ビンス・カーター関連記事はこちら

サンズ・マーベリックスへの移籍

 1試合で48得点を記録する試合もあるなどスポットでは輝きを見せる事もありましたが、ダンクやペイントエリアでの得点が激減しトータルではパフォーマンスを落としていたカーター。

オーランドが故郷という事もあり、マジックでキャリアを終えるのでは?との声もありましたが2010–11シーズンの途中でワシントン・ウィザーズ、フェニックス・サンズが絡む3チーム間トレードが行われカーターはサンズに移籍します。

更にシーズン終了後には2010–11シーズンにNBA制覇を成し遂げたマーベリックスへ移籍します。

ディフェンディングチャンピオンの一員という立場で2011–12シーズンが始まりましたがタイソン・チャンドラーやカロン・バトラーなどの放出に加え、ダーク・ノヴィツキーの衰えもありチームは戦力ダウンに陥りプレイオフには進出するも1回戦負けを喫しました。

カーターはマーベリックスに3シーズン所属しましたが2012–13シーズンは81試合中スターター起用が3試合のみ、2013–14シーズンはスターター出場なしと完全なロールプレイヤーへチェンジします。

 

ビンス・カーター関連記事はこちら

ユーティリティープレイヤーへの変化

カーターの平均出場時間はピーク時に比べ10分以上減少し24~25分となりましたが2012–13、2013–14シーズン共に81試合出場とチームに欠かせない選手である事は間違いありませんでした。

その大きな要因は自らのプレイスタイルをインサイド主体からアウトサイドでも得点が取れるユーティリティープレイヤーに変化させた事です。

これはデーターを見れば明らかで2012–13シーズンは3ポイント率が40.6%とキャリア3位の数字を記録し、フィールドゴール率はインサイドでの得点が減ったにもかかわらず43.5%と高確率でした。

また、2013–14シーズンのプレイオフでは48.4%の3ポイント率を記録し劇的なブザービーターも決めています。

長年体に染み込んだプレイスタイルを変えるのは言う程簡単ではなく、特にカーターのようなダンクをメインに戦ってきた選手がアウトサイドシュートで得点を重ねられるようになるのは珍しいケースです。

ビンス・カーター関連記事はこちら

すれ違いの連続だった好機

 カーターのキャリアにおいてプレイオフに出場したのは、後のグリズリーズ時代を合わせた11回で2016–17シーズンが最後でした。

最高成績だったのはマジックに在籍した2009–10シーズンのカンファレンス決勝で、最後までファイナル進出や優勝には手が届きませんでした。

振り返ってみればカーターの移籍と優勝を狙える機会は惜しいタイミングが多く2004-05シーズンに加入したネッツは2001-02、2002-03シーズン連続でファイナルに進出していますし2009–10シーズンに加入したマジックは前年にファイナル進出、2011–12シーズンに加入したマーベリックスは前年に優勝していました。

「あと1年早く移籍していたら」

「ファイナルで戦えていたら」

スポーツに「たら・れば」を言っても意味はありませんが、22シーズンもの長い期間プレイし8チームを渡り歩いてもチャンピオンリングを手に出来ないNBAという場所は能力だけでなく運や巡り合わせも必要なのだと改めて感じます。

 

ビンス・カーター関連記事はこちら