昨シーズンは22勝60敗で2年連続20勝しか挙げられず低迷期を抜け出せないシカゴ・ブルズ。
主力に怪我人が多かった昨シーズンから心機一転し、ドラフトやトレードで加入した選手達と2019-20シーズンを迎えましたが22勝43敗と成績が向上する事なくイースタン・カンファレンス11位でシーズンを終了しています。
バランスのとれた選手が揃ったものの
今シーズンのブルズに加入した選手はドラフト全体7位で指名されたコービー・ホワイト、ガードのトーマス・サトランスキー、フォワードのサディアス・ヤングです。
ウィザーズから移籍してきたサトランスキーはジョン・ウォールに代わりチームの司令塔を務めており、ブルズでも65試合中64試合に先発出場すると平均9.9点、3.9リバウンド、5.4アシスト、1.2スティールと全てのスタッツでキャリアハイを記録する活躍を見せました。
ペイサーズで主力を務めたベテランのヤングは64試合中16回のスターター起用と出場時間が少なくなった事でチームとの不仲説が流れましたが平均10.3点、4.9リバウンド、1.8アシスト、1.4スティールと安定したスタッツを残しています。
ホワイトはベンチからの出場で序盤は波に乗れませんでしたが、1試合で35得点をマークしたり1つのクォーターでスリーポイントシュートを7本決めるチーム記録を達成するなどチーム3番目の得点力を記録しました。
今シーズンも怪我に泣かされる
チームのエースであるザック・ラビーンは今シーズンの活躍も素晴らしく得点・リバウンド・スティール数でキャリアハイを更新。
また、近年確率を上げているスリーポイントはホーネッツ戦で13本成功させNBA記録2位タイをマークするなど成長は止まりません。
苦しいシーズンの中で得たもの
結果的にカンファレンス11位でシーズンを終了し3シーズン連続で勝率3割台となってしまったブルズ。
そんな中でもポジティブな要素はあり、特にチームと上手くフィットしたサトランスキーと来シーズン大きく飛躍しそうなホワイトの加入は大きかったと思います。
また何かと話題に挙がっていたフロント陣にも動きがあり、やり手として知られるアルトゥラス・カルニソバスGMが就任した事で、どのような動きを見せるかにも注目が集まります。
気になるのはクリス・ダンで、今シーズンはベンチからの出場が多くなった影響からか51試合に出場しましたが得点・アシスト、リバウンドで ルーキーイヤーに次ぐ悪い成績でした。
更に、シーズン終盤には昨年と同じ内側側副靱帯の怪我でチームを離脱していますがディフェンス面でも貢献度が高くチームに必要な選手なのでフレッシュな状態を維持して欲しいです。
来シーズンに向けて
現状のメンバーを見てもシーズンを通して怪我人さえ出なければプレイオフを狙えるチームだと思いますし、ホワイトの成長次第では面白い存在になると思います。
ヤングの動向は分かりませんが、仮にチームを退団するとしてもカルニソバスGMなら旨みのあるトレードを画策するのではないかと思います。
チームの課題としてはリーグ26位の106.8点という得点力の乏しさになってきます。
主力に故障者が多かったので仕方ない所もありますが、ブルズはインサイドの強さに比べアウトサイドシュートに安定感が無いので、ここが鍵になるのではないかと思います。
元々ディフェンスは良いチームなだけに課題を克服して来シーズンこそはチーム全員で戦う姿を見たいです。