昨シーズンは優勝候補の一角に挙げられていましたが、カンファレンス決勝でラプターズに敗れたバックス。
今シーズンも優勝候補の本命に挙げられており、エースのヤニス・アデトクンポを軸に序盤から勝利を重ね、リーグトップの勝率で貫禄の1位通過を果たしています。
マジックは昨季サウスイースト・ディビジョンを制し7シーズンぶりにプレイオフ進出を果たしました。
今シーズンはロスターに大きなテコ入れをせず、昨シーズンから強化したディフェンス力を維持し若手中心のメンバーで2年連続となるプレイオフ進出を掴み取りました。
レギュラーシーズンの対戦ではバックスの4戦全勝でした。
バランスの取れた盤石の布陣
バックスはガードのマルコム・ブログドンやシューターのニコラ・ミロティッチを放出したものの大きな補強を行わず、所属選手の延長契約を優先した事で昨シーズンとほぼ同じ顔触れでシーズンに臨みました。
特にスターターのアデトクンボ、クリス・ミドルトン、エリック・ブレッドソー、ブルック・ロペスは個々の攻守レベルが高く共にプレイしている期間が長いのでコミュニケーションも抜群です。
また、ベンチからはジョージ・ヒル、アーサン・イリヤソバ、パット・カナトン、カイル・コーバーといった職人タイプのベテランが出てくるので戦力の落ちる時間帯が少ないのも強さの秘訣です。
スターター、セカンドユニットの層が厚くバランスの取れた最も穴の少ないチームです。
守備力重視で迎え撃つ
今シーズンのマジックはアーロン・ゴードン、マーケル・フルツ、ジョナサン・アイザックの若い3人とエバン・フォーニエ、ニコラ・ブーチェビッチといったスコアラーで臨みました。
しかし、11月に今季加入したディフェンス力の高いアル・ファルーク・アミヌが半月板の怪我で全休。
攻守で活躍していたアイザックは順位決定戦の途中に前十字靭帯を断裂し全休に。
更にはゴードンもハムストリングの負傷でプレイオフに出場できない事態がマジックを襲います。
ベストメンバーで挑んでも難しい相手に主力を2人も欠いて戦う事になりましたが、持ち前の守備力とブーチェビッチ・フォーニエのパフォーマンスが鍵になります。
第1戦でまさかの敗北
今シーズンの調子から見てバックス優勢は明らかでしたが、第1戦ではフィールドゴール率を5割近く記録しブーチェビッチの35点を含め6人が2ケタ得点を挙げたマジックが勝利します。
ちなみウエスト1位のレイカーズも敗れており、東西の第1シードが揃って初戦で敗れたのは17年ぶりの出来事だそうです。
2戦目は1戦の負けが余程こたえたのか、序盤からディフェンスを強めながら猛攻を仕掛け前半で64対43と圧倒します。
後半には多少詰め寄れたものの大勝し、この日アデトクンポは28点、20リバウンドを記録しています。
3戦も前半だけで70対43と大差を付け勝負を決めたバックスは、ペイントエリアで大暴れするとフィールドゴール率56.1%の高確率を記録しました。
4戦は互いに付かず離れずの接戦となり3クォーター終了時点で84対81とバックスが3点リードします。
4クォーターに入るとコーバー、ミドルトン、アデトクンポがスリーポイントを沈め点差を広げます。
マジックはブーチェビッチが負けじと連続でスリーポイントを決め応戦。
しかし、ペイントエリアにアデトクンポが攻め込むと止める事が出来ず終わってみれば4クォーターだけで12点差をつけ快勝しました。
5戦は2クォーターに41-29と突き放し前半を終えて67-50と大きなリードを取ると、後半も終始安定した試合運びで勝利し1回戦を突破しました。
また、この試合はアデトクンポ、ロペス、ブレッドソーなどスターターが28分と最短の出場時間で終えています。
ペイントエリアで攻撃を止められず
このシリーズはペイント内でのポイント差がそのまま試合の差に繋がってしまいました。
第2戦は42-24、3戦は50-26、4戦は42-20、5戦は主力の出場時間が短かった事もあり42-32となりました。
逆にマジックが勝利した1戦は42-38と差が付いていなくリバウンド数もリードするなどバックスの強みを消した結果となりました。
とはいえリーグ1位のリバウンド数、ディフェンシブ・レーティングに3位のブロック数を誇るバックスが何試合もゴール付近で弱味を見せてくれる筈もなく、そこが大きな敗因となりました。
1勝の後4連敗となりましたがスターターを欠いてのシーズンでバックス相手という事を考えれば仕方ない結果だと思います。
スリーポイントも好調だった絶対的エース
1回戦から流石のパフォーマンスを発揮したアデトクンボ。
平均31.8点16リバウンド6アシストと全てのスタッツでチームを牽引するなど素晴らしい活躍を見せました。
また、レギュラーシーズンでは30.4%で自身の課題でもあるスリーポイントも1回戦では38.5%と上がっており、ディフェンダーがペネトレイトを防ぐ為マークを離した際には効果的に沈めていました。
ただフリースローは62.5%と相変わらずの数字でした。
マジックは平均28点11リバウンドを記録しスリーポイント率40.9%をマークしたブーチェビッチがエースらしさを見せました。
フォーニエが平均12.8点とレギュラーシーズンに比べスタッツを下げていた事もあり、時間帯によってはブーチェビッチ頼みになるシーンもありましたが見事に応えていたと思います。
また、控えガードのDJ・オーガスティンも平均13.2点6アシストとスタッツを大きく上げて貢献しました。
ゴードン、アイザックがいればインサイドに強みが増すので面白かったと思いますが残念です。
※コロナウイルスの影響により同一会場で開催の為、ホーム&アウェイがありません
日付は日本時間
第1戦8月19日
バックス110-122マジック
第2戦8月21日
バックス111-96マジック
第3戦8月23日
バックス121-107マジック
第4戦8月25日
バックス121-106マジック
第5戦8月30日
バックス118-104マジック
バックス4-1マジック