NBA2019-20シーズン プレイオフ進出が叶わなかったチームを振り返る~メンフィス・グリズリーズ

昨季はシーズン途中に長年チームを支えた万能型ビックマンのマルク・ガソルを放出しイースタン・カンファレンス12位で終了したグリズリーズ。

今オフにはマイク・コンリー、C.Jマイルズ、チャンドラー・パーソンズなどベテランが退団した事でチーム再建に乗り出しました。

若手主体で臨んだ今シーズンは最後までプレイオフ争いを演じましたが、一歩及ばず9位で終了しています。

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チームを牽引したジャ・モラントの活躍

今シーズンのグリズリーズにおいて1番の注目はドラフト2位入団のジャ・モラントでした。

ハンドリング技術・パスセンス・ゲームメイクに優れ、スピードと緩急を生かした突破力や高い身体能力を生かした豪快なダンクも魅力です。

プレシーズンでいきなり活躍を見せると開幕から3試合目には30得点を挙げ、2月にはルーキーの中で初めてトリプル・ダブルを記録しました。

チームは今季から若手主体に切り替えた事でグリズリーズの順位は下位に落ちると予想されましたが、モラントの活躍もありリーグ中断前にはプレイオフ圏内の8位まで順位を上げていました。

しかし、順位決定戦ではジャレン・ジャクソンJrの負傷離脱やモラント自身も親指を骨折したままプレイを続けていた事もあり、プレイオフを懸けた最後のブレイザーズ戦では35得点を挙げたものの敗れました。

モラントの最終スタッツは平均17.8点、3.9リバウンド、7.3アシストを記録しており新人王の最有力候補となっています。

多くの選手が噛みあい奮闘

今シーズンのグリズリーズはスターターをモラント、ジェイ・クラウダー、ディロン・ブルックス、ジャレン・ジャクソンJr、ヨナス・バランチュナスで臨みました。

開幕から連敗スタートすると、得点が伸びず失点が多い試合が目立ち11月末時点で513敗と大きく負け越します。

しかし、12月半ば辺りから失点は多いものの得点が取れる試合が増え始め勝ち星も伸びてきます。

1月半ばには五分に近い成績となりオールスターブレイク前には遂に勝ち星が先行、その後勝ち負けを繰り返し8位でリーグが中断となりました。

勝ち星が増えたのは選手同士が噛みあいチームとして機能し始めた事が大きな要因だと思います。

実際1月頃からチームのアシスト数・得点が増えていますが、平均で20点以上を挙げている選手はいないのでチーム全体で戦えている証拠だと思います。

ベンチメンバーも躍動

先程触れたスターター選手は全員平均2ケタ得点を挙げていて、バランチュナスに至ってはリバウンドと合わせて平均ダブル・ダブルを記録しました。

ベンチメンバーではカイル・アンダーソン、ブランドン・クラーク、ディアンソニー・メルトン、タイアス・ジョーンズなどが躍動しました。

中でもサマーリーグでMVPを獲得したクラークは平均出場時間22.4分で12.1点、5.9リバウンドを記録するなどスターター級の活躍を見せました。(ちなみにカイル・アンダーソン、ヨナス・バランチュナス、タイアス・ジョーンズも歴代のサマーリーグMVP受賞者です)

アンダーソンはシーズン途中にクラウダーが移籍した後からスターターとして活躍し、控えガードのメルトンとジョーンズはミスの少ない堅実なプレイとディフェンス力で貢献しています。

渡邊雄太も出場機会はありましたが平均5.8分と短く結果を残すに至りませんでした。

デュオの活躍が鍵

今シーズンは再建の1年目ながらチームで戦い想像以上の結果を残したグリズリーズ。

とはいえ、やはりチームの核となるのはモラント、ジャクソンJrのデュオで間違いないでしょうしプレイオフで上を目指すなら高めていかなければならないファクターです。

ジャクソンJrはゴール下はもちろん40%近くのスリーポイントまで決められる選手で、モラントはアウトサイド・ミドルシュートだけでなくゴール下まで突っ込んで得点を重ねられる選手です。

その為、併せのプレイを多用する2人ではありませんが、コンビプレイがもっと増えていけばディフェンスは引っ張られますし味方の得点シーンも自然と増えていく筈です。

また、ジャクソンJrに関しては怪我も気になります。

デビューイヤーの昨シーズンは終盤に大腿部の打撲で戦線離脱。今シーズンも終盤に左膝半月板断裂という怪我を負い全休となっています。

昨年とは違う箇所の怪我ですし、来季の開幕には間に合うと発表されていますが下半身の怪我は癖になり易く悪化もするので気を付けて欲しいです。

今後の展望

今シーズンの成果や主力選手の契約状況・コメントを見ても、来シーズンに向けて大きな選手の入れ替えは無さそうに思います。

基本的にはモラント、ジャクソンJr、ブルックス、バランチュナスで、今季途中に加入したものの股関節を痛めて欠場していたジャスティス・ウィンズロウがスターターに加わるかも知れません。

平均11.3得点、6.6リバウンド、4アスシトを記録しディフェンス力にも定評があるので、失点数の多いグリズリーズには心強い選手となります。

今シーズンは怪我人によりプレイオフを逃したグリズリーズが来シーズンどこまで戦えるのか楽しみです。