NBA2019-20シーズン プレイオフ進出が叶わなかったチームを振り返る~サンアントニオ・スパーズ

ティム・ダンカン、マヌ・ジノビリ、トニー・パーカーのビッグスリーが引退し、カワイ・レナード、ダニー・グリーンが移籍した事で新たなチームに生まれ変わったスパーズ。

ラマーカス・オルドリッジとデマー・デローザンが主軸となって2年目を迎えた今シーズンは順位決定戦に参加したものの32勝39敗と負け越しウエスタン・カンファレンス11位でシーズンを終了しました。

これにより22年続いていたプレイオフ連続出場記録が途絶えています。

NBA2019-20シーズン振り返り記事はこちら

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「らしさ」を失いつつあるスパーズ

今シーズンはコロナウイルスによるリーグ中断前の時点で27勝36敗と負け越していたスパーズ。

振り返ってみれば開幕戦から3連勝したものの、その後は勝ち負けを繰り返し11月中旬には23年ぶりとなる8連敗を喫しました。

1月末には一時巻き返しを図りましたが細かな連敗が続き、結局開幕以降は貯金を作る事が出来ませんでした。

昨シーズンにも言える事ですが負けた試合の中には大きくリードしながら終盤に踏ん張り切れず逆転を許したり、ターンオーバーを連発し自らリズムを崩したりする事も多くみられました。

また、今季はチームの失点数も増えリーグ25位の115.2点を記録しています。

スパーズと言えば統率のとれたチームプレイを武器に安定感に優れ、連敗や失点数が少ないのが特色ですが、今のチームにはスパーズ「らしさ」がありません。

冒頭で触れたように近2シーズンでメンバーは大きく入れ替わっているので仕方ない事かも知れませんがファンには受け入れがたい現実でしょう。

オルドリッジ不在の順位決定戦

今季スパーズのスターターを多く務めたのはデローザン、オルドリッジ、デジャンテ・マレー、ブリン・フォーブス、トレイ・ライルズでした。

ベンチメンバーにはパティ・ミルズ、ルディ・ゲイ、マルコ・ベリネリ、デリック・ホワイトなどが名を連ねています。

順位決定戦ではデローザンと共にチームを牽引するオルドリッジが右肩の手術を行った事で欠場。

5勝3敗でプレイオフを逃しましたが、チーム全体で気迫あふれるプレイを見せ最後の試合までプレイオフ進出可能性を残していました。

また、試合後にポポビッチが語ったように若手選手には貴重な経験を積む最高の機会となりました。

再建期突入か?

スパーズは結果的にプレイオフ連続出場が途切れた事や優勝からは程遠い現状、オルドリッジやデローザン、ミルズ、ゲイ、ベリネリなどの主力組が30歳を過ぎている事からも本格的な再建に乗り出すのではないかと考えられます。

現在スパーズで期待されている若手は、前十字じん帯断裂の怪我から復帰し今季平均10.7得点、5.8リバウンド、4.1アシストを記録したマレーや控えセンターのヤコブ・パートル、2018年ドラフト18位で加入したロニー・ウォーカー四世などがいます。

また、2019年のドラフト19位・29位で加入したルカ・シャマニッチとケルドン・ジョンソンは今シーズンGリーグでプレイしましたが、来季はスパーズで活躍が見られるかもしれません。

主軸2人の去就

 再建か否かはオルドリッジ、デローザンの去就が大きく影響する筈です。

以前から移籍の噂が絶たないオルドリッジは、今シーズン53試合に出場し平均18.9得点、7.4リバウンド、2.4アシスト、1.6リバウンドを記録。

フィールドゴール率を含め全体的にスタッツを下げており、今年の6月に肩の手術を行った事でシーズンを終了しています。

35歳となったオルドリッジはスパーズと来季まで契約を残しています。

オルドリッジ以上に移籍を噂されているデローザンは今シーズン61試合に出場し平均22.2得点、5.6リバウンド、5.6アシスト、1スティールとチーム最多得点を記録しています。

デローザンに関してはプレーヤーオプションを辞退してFAになる可能性と契約延長の可能性が真っ二つに分かれていて注目が集まっています。

今後の展望はポポビッチ次第?

プレイヤーの去就もさることながらヘッドコーチの動向も話題になっています。

通常ヘッドコーチの交代は珍しくありませんがNBA歴代最長の24シーズン務めている71歳のポポビッチとなれば話は別です。

スパーズ以外のチームを指揮するイメージは沸きませんがブルックリン・ネッツという具体的なチーム名も挙がっています。

また、今シーズンから愛弟子であるティム・ダンカンがアシスタントコーチを務めている事から引退するのではないかとの声も上がっています。

どちらにせよポポビッチが続投しないのであればチームが再建に乗り出す可能性は高いでしょうし、オフにデローザンを放出する確率も高くなるでしょう。

続投となれば真っ先に改善が必要なのは毎年増え続けている失点数で、個ではなくチーム全体でのディフェンス力の底上げがマストになると思います。