NBA2019-20シーズンを振り返る~ポートランド・トレイルブレイザーズ

近6シーズンはいずれもプレイオフに進出し、昨季は1999-2000シーズン以来となるカンファレンス決勝まで勝ち進んだブレイザーズ。

今オフには弱点となっていたビッグマンの補強にハッサン・ホワイトサイドを獲得し新たなシーズンを迎えましたが序盤から黒星が先行。

シーズン途中にカーメロ・アンソニーを獲得し状況の打開を図りましたが、怪我人が出た影響もあり最後まで調子を取り戻せず29勝37敗でシーズンを終えました。

プレイオフでは1回戦でレイカーズと対戦し破れています。

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ザック・コリンズ、ロドニー・フッドの長期離脱

ブレイザーズの最初の誤算は開幕から3戦目に起こります。

開幕からスターター起用されていたキャリ3年目の攻守で貢献できるザック・コリンズが肩を脱臼し長期離脱。

リハビリ中のセンターであるユスフ・ヌルキッチの復帰が未定のブレイザーズにとってビッグまであるコリンズの離脱は大きな戦力ダウンとなりました。

もう1つの誤算は今オフに再契約を交わしたロドニー・フッドがアキレス腱を断裂という大怪我を負った事です。

今シーズン平均11.5得点、3.5リバウンド、1.6アシストを記録し3ポイントも打てるフッドの離脱は、カーメロ・アンソニーの加入で白星が増え始めた矢先の出来事だっただけに精神的にもダメージを与えました。

怪我の状態からして来シーズンの開幕に間に合うかさえ不透明な状態です。

ロスターの入れ替えが裏目に

 ブレイザーズがオフに獲得した選手はホワイトサイド以外にケント・ベイズモア、マリオ・ヘゾニャ、アンソニー・トリバー、パウ・ガソル。

放出したのがセス・カリー、エバン・ターナー、アル・ファルーク・アミヌ、モーリス・ハークレス、エネス・カンターなどです。

ガソルは怪我によりコーチングスタッフに就任、ベイズモアとトリバーは調子が上がらず1月にトレード。

ヘゾニャはチームに残ったものの平均4.8得点、3.4リバウンドとキャリアワーストのスタッツで47試合の出場に止まりました。

平均16.3得点、14.2リバウンド、1.2アシスト、3ブロックを記録したホワイトサイドとトレードで獲得したトレバー・アリーザ以外は失敗と言えるでしょう。

対して放出したのは昨シーズン主力級の活躍を見せた選手が多く、特にターナー、アミヌ、ハークレスはディフェンス力の高い選手でした。

もちろん選手の入れ替えは成功があれば失敗もありますが、昨シーズンのメンバーでカンファレンス決勝まで進んだ事を考えればロスターをテコ入れしない方が良かったのではと思ってしまいます。

プレイオフ圏外のまま順位決定戦へ

主力の怪我人に加えディフェンス力が下がりリーグ26位の失点数を記録していたチームは順位を上げられず、リーグ中断時にはプレイオフ圏外の9位となっていました。

順位決定戦で勝ち上げるしかなくなったブレイザーズでしたが、シーズン途中に獲得しディフェンス力が高く平均11得点4.8リバウンドを記録していたトレバー・アリーザが私用で参加を辞退します。

またも戦力を欠く事になりましたが、シーズン再開前に約1年4か月コートを離れていたヌルキッチとシーズン序盤に負傷離脱したコリンズが復帰するなど明るい兆しもみえました。

リラード覚醒

とにかく勝つしかないブレイザーズは8試合で6勝2敗と大きく勝ち越し8位に上がると、今季のレギュレーションにより9位のグリズリーズと直接対決するプレーインが行われました。

ここでもグリズリーズに勝利したブレイザーズは最後の最後にプレイオフ進出となりました。

なお、このシリーズでリラードは8試合平均37.6得点、9.6アシストを記録。

最も重要なラスト3試合では平均51.3得点と規格外の活躍を見せ順位決定戦のMVPに選ばれました。

プレイオフではマッカラムが腰を骨折をしたままプレイしていた事や、リラードが膝の捻挫により第5戦から離脱した事もあり、1回戦でレイカーズに敗れました。

今後の展望

過去2シーズンをウエスタン・カンファレンス3位で終えている事から考えても、怪我人が重なってしまった今季の成績は不本意な結果となってしまいました。

しかし、パフォーマンスレベルが半信半疑だったカーメロは平均15.4点、6.3リバウンドを記録し試合を決めるクラッチシュートも見せてくれました。

ヌルキッチはブランクが長いので調子を取り戻すのに苦労していましたが、プレイオフでは得点とリバウンドのダブル・ダブルを記録しています。

残念だったのがホワイトサイドです。

レギュラーシーズンは15.5点13.5リバウンドと結果を残しましたが、プレイオフでは6.8点7リバウンドと全く目立ちませんでした。

プレイオフを見据えて補強しただけに寂しい数字となりました。

今後カーメロやホワイトサイドの去就は未定ですが、ザック・コリンズが復帰すればビッグマンの連携は問題ないでしょう。

バックコートデュオを軸にアリーザやフッド、若手のゲイリー・トレント・ジュニアといった選手が加われば戦力が落ちる事は無さそうです。