NBA2019-20シーズンを振り返る~ミルウォーキー・バックス

昨シーズンはリーグで唯一60勝を挙げ優勝候補との呼び声も高かったバックスですが、プレイオフではカンファレンス決勝でラプターズと対戦し敗れました。

今オフにはオールスター選手達が移籍を行いリーグの勢力図が変わりましたが、バックスが所属するイースタン・カンファレンスのチームは大きな変化が無かった事もあり、今シーズンも優勝候補の最右翼に挙げられました。

レギュラーシーズンでは安定感のある成績を残し1位で通過したもののプレイオフではカンファレンス準決勝でヒートに敗れるという波乱の結果となりました。

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オフの動きは最小限に

 

多くのチームがエースクラスの補強や再建の肝となる選手の画策を行う中、バックスの動きは昨シーズン先発ガードを務めたマルコム・ブログドンやシューターのニコラ・ミロティッチを放出しウェスリー・マシューズ、ロビン・ロペス、カイル・コーバーを獲得という優勝を狙うチームとしては最小限と言えるものでした。

今シーズンはブログドンの代わりにスリーポイントを得意とするマシューズを先発に加えヤニス・アデトクンボ、クリス・ミドルトン、エリック・ブレッドソー、ブルック・ロペスという昨季からの主力を残した事でチームケミストリーの底上げを図りました。

ベンチメンバーではアーサン・イリヤソバ、ジョージ・ヒル、パット・カナトンに加えシュートのコーバーや控えセンターのロビン・ロペスを獲得した事で厚みが増しています。

また、今シーズンはスターリング・ブラウンやドンテ・ディビンチェンゾといった経験の浅い選手も起用し出場機会を増やしました。

 

今季も安定感抜群のチームに

 

今季はシ-ズン序盤からブレッドソーやミドルトンが負傷離脱しましたが、層が厚く仕事をきっちりこなせる選手が多いバックスはお構いなしと言わんばかりに勝利数を積み上げていきます。

また、この時期はディビンチェンゾが先発で使われる事も多く期待に応えて成績を上げました。

12月末には早くも30勝に到達し負けたのは僅か5試合と流石の安定感を発揮すると、リーグ中断となった3月には53勝12敗で堂々の1位に君臨します。

チームは昨季に続きリーグ1位の得点力を誇り平均リバウンド1位、平均ブロック3位、平均失点8位と高い水準のスタッツを記録します。

更に今シーズンはディフェンシブ・レーティングも1位を記録しており、攻守に優れたチームだという事がよく分かります。

リーグ再開後の順位決定戦では1位が確定した事やアデトクンボが欠場した事もあり3勝5敗で終えプレイオフに向かいます。

まさかの2回戦敗退

プレイオフ1回戦では8位のマジックと対戦し、第1戦を黒星でスタートするなど驚きの展開になりましたが第2戦からはしっかり立て直し4連勝で1回戦を突破します。

続く2回戦はヒートとの対戦になりましたが、今シーズンのヒートはジミー・バトラーが加入しドラギッチやアデバヨ、ダンカン、イグダーラといった若手とベテランが揃ったダークホース的な存在になっていました。

とはいえ成績を考えてもバックス有利は間違いないと思われましたが、アデトクンボがヒートのディフェンスに苦しめられ自由を奪われるとチームも勢いを失いレギュラーシーズンでは見られなかった脆さを露呈します。

また、4戦でアデトクンボが足首を捻挫した事で戦線離脱となり2回戦で敗れました。

シリーズは1戦から3連敗しており、仮にアデトクンボが怪我をしなくても敗戦は濃厚だったと思います。

敗因

バックスの攻撃パターンはアデトクンボがトップオブザキーからドリブルで仕掛けるか、ディフェンスを引き付けてアウトサイドにパスを出す事が多いです。

その為、周りに選手がボールウォッチャーになる事が多く動きが少ないのでアデトクンボが抑えられてしまうと攻撃のリズムが悪くなります。

また、アデトクンボも自分のリズムでスリーポイントを打つ時は確率が上がっていますが、打たされるシュートはほとんど入りません。

もう1人の得点源であるミドルトンはパフォーマンスに波が大きくレギュラーシーズンならまだしもプレイオフのような短期決戦では心もとない印象です。

新しい得点源やチームとしての攻撃オプションを増やす事も必要かもしれません。

今後の展望

2年連続でリーグ1位の勝率を記録しながら昨季はカンファレンス決勝敗退、今季はカンファレンス準決勝敗退とファイナルにさえ進出できなかったバックス。

アデトクンボの契約は2020-21シーズンまでですが以前から去就問題は話題になっており、今季の結果を受けてより一層加熱しそうです。

今後の展望についてですが、バックスは現状メンバーのアデトクンボ、ロペス、ミドルトン、ブレッドソー、ヒル、イリヤソバらは来シーズンも契約が残っており、大きな補強は出来ないのではないかと思います。

もしそうなれば来季は三度同じメンバーで臨むシーズンになりますが、ネッツやウォリアーズなど新たな優勝候補が増えそうですし、今季以上に優勝が難しいシーズンになるでしょう。

プレイオフで見えた脆さや課題を克服しチーム全体でのパワーアップが必要です。