セルティックスはセカンドラウンドでディフェンディングチャンピオンのラプターズと対戦し7戦までもつれる厳しいシリーズになりましたが勝利を手にして2シーズンぶりのカンファレンス決勝に向かいます。
ヒートはセカンドラウンドでバックスを4勝1敗で撃破しアンダードッグでは無い事を証明し、レブロンが率いた2013–14シーズン以来のカンファレンス決勝となります。
失礼ながらこのカンファレンス決勝カードをどれだけの人が予想したでしょうか?
イーストでは圧倒的有利と思われたバックスと連覇を狙うラプターズが破れた事で、第1シードと第2シードがカンファレンス決勝に進めないというプレイオフが16チーム制になった1984年以来の珍事となりました。
レギュラーシーズンの対戦ではセルティックスの2勝1敗となっています。
失点数で勝るセルティックス!ベンチメンバーが勝利への鍵
セルティックスはプレイオフに入って11試合を戦い、ラプターズ戦のダブルオーバータイムを除けば平均失点数97.5点と流石のディフェンス力を見せています。
試合数や対戦相手が違うので一概に比べられませんがヒートは平均103.6失点となっており、セルティックスとしては1つ勝機を見いだせるポイントとなりそうです。
また、セルティックスはゴードン・ヘイワードの負傷離脱によりスターターとベンチメンバーの戦力差が大きく、控え選手のブラッド・ワナメイカー平均17分5.3点、ロバート・ウィリアムズ平均12.2分4点、エネス・カンター平均11.3分4.3点など出場時間が短く得点も少ないのがウィークポイントです。
この影響でスターター選手はビックマンのダニエル・タイス以外全員が平均37.5分以上出場しています。
更にセカンドラウンドではダブルオーバータイムを含め7戦まで試合をしている為、この先は疲労も勝敗を分ける鍵になるかも知れません。
得点数で勝るヒート!スリーポイントの優劣も大きな鍵に
ヒートは過去9戦の平均得点が112.1点とセルティックスの107.6点を上回っています。
また、レギュラーシーズンでリーグ1位を記録したスリーポイント率もドラギッチ、ロビンソン、クラウダー、タイラー・ヒーローらが38%以上を揃って記録するなど好調です。
セルティックス戦ではマッチアップする選手がケンバ・ウォーカー以外はほとんど身長が同じなのでアドバンテージは無く、個のディフェンス力も高いので簡単にはスリーポイントを打たせてくれないでしょう。
また、ディフェンスでは守備能力の高いバトラーとクラウダーがテイタム、ブラウンのスコアラーコンビをマークするでしょうが、スピードに優れ平均20点を挙げるケンバはドラギッチやロビンソンでは厳しいと思います。
スマートも乗せてしまうと攻守で厄介な存在になるのでガード対決はポイントになりそうです。
とはいえリーグ1位の得点力を誇るバックスを平均106点に抑えたチームなので対策は講じるでしょう。
ヒートが優勢にシリーズを進める
第1戦は平均的に得点を重ねるセルティックスに対し1Q、3Qは10点台、2Q、4Qに30点台と波が激しかったヒートでしたが、オーバータイムに突入する接戦となります。
オーバータイムではセルティックスがフリースローやケンバが得点を入れ、ヒートはクラウダーのスリーポイントやファストブレイクで得点を重ねます。
セルティックスが1点リードで迎えた残り13秒にバトラーのインサイドアタックで得点するとバスケットカウントも決めヒートが逆転。
セルティックスはテイタムがペネトレイトを仕掛けダンクを狙うもアデバヨにブロックされて試合終了となりヒートが初戦を勝利で飾ります。
2戦は前半からスリーポイント確率が悪く得点が入らないヒートに対しケンバ、テイタム、ブラウンが得点を重ねるセルティックス。
更に2Qにはワナメカーやカンターなど控え選手も躍動し前半を13点リードで終えます。
しかし3Qに入るとアウトサイドシュートの確率が悪いヒートはアデバヨを起点にゴール付近で得点を量産。
セルティックスはこの試合20を記録したターンオーバーを連発すると攻撃のリズムも狂い3Qだけで37-17と逆転されます。
4Q中盤にはセルティックスが再び逆転する時間帯もありましたが、勝負所でターンオーバーやファストブレイクを許すとアデバヨに簡単にオフェンスリバウンドを取られセカンドチャンスを与えるなど集中力の劣るセルティックスが連敗となりました。
3戦も序盤からセルティックスがリードを奪い優位に試合を進めていきます。
また、6得点に終わりましたがプレイオフ初戦で負傷離脱したヘイワードが復帰したのもセルティックスにポジティブなニュースとなりました。
試合は前半を63-50のセルティックスリードで終えます。後半に入ってもこの日のセルティックスはリズムを崩す事無く得点を重ねていくと、4Qにはアデバヨが奮闘を見せましたがスターター4人が20点以上を挙げたセルティックスが連敗を止めました。
ちなみにヒートはスリーポイント率27.3%と最後まで確率が上がりませんでした。
セルティックスは健闘を見せるも一歩及ばず
4戦は終盤までもつれる接戦となります。
セルティックスはテイタムが前半無得点に終わりますがヘイワードやブラウン、ケンバが奮起します。
ヒートはこの日もチームのスリーポイント率が上がりませんでしたが、成功した10本の内5本を決めたタイラー・ヒーローが大活躍し前半を6点リードで終えます。
3Qに入ると後半だけで28点を挙げたテイタムが調子を取り戻し得点を重ね4Qには逆転しますが、ヒートはアデバヨのリバウンドやヒーローの得点で流れを引き寄せ再び逆転。
迫りくるセルティックスを何とか退け逃げ切り勝ちとなりシリーズに王手をかけました。
5戦は後がなくなったセルティックスが果敢にゴールを狙いますがヒートの厳しいディフェンスに得点が挙げられず苦しい展開に。
ヒートはバトラーやアデバヨがファウルトラブルに陥るもロビンソンやドラギッチが得点を重ね前半を7点リードで終えます。
しかし後半に入るとセルティックスのシュートが入り始め、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントも増えます。
逆にヒートは試合を通してスリーポイント率が19.4%とリングに嫌われ続けフリースローで得点を繋ぐもののセルティックスに逆転されます。
4Qには追い上げる時間もありましたが、セルティックスはブラウンやタイスが得点を重ねヒートを突き放し2勝目を挙げました。
6戦は前半から互いに点の取り合いとなり一進一退の攻防を繰り広げると大きなリードが付かないままヒートが2点リードで4Qを向えます。
セルティックスはブラウンやテイタムが得点を重ね6点リードとなりますが、中盤にアデバヨがバスケットカウントをもらいリードを奪い返すとバトラーやヒーローが立て続けに得点を重ねリードを広げます。
逆にセルティックスはヒートの厳しいディフェンスに得点が止まり最終的には12点の差を付けられ敗北。
ヒートが6年振りのファイナル進出となりました。
試合を重ねるごとに覚醒していくアデバヨ
今シリーズでチームを勝利に導く活躍を随所で見せたアデバヨ。
平均21.8得点11リバウンド5.2 アシスト1.7スティール1ブロックをマークし、スリーポイントを全く打たないビッグマンながらブロック以外は全てチームハイを記録しました。
特に初戦で見せた勝利を決定づける豪快なブロックはチームに勢いを与えるきっかけとなりました。
また、ベンチスタートながらチーム3位の平均19.2点をマークし4戦では37点を挙げプレイオフでベンチスタートから30得点超をマークした最年少記録を樹立したヒーローもシリーズの勝利に大きく貢献しています。
ヒートの攻撃力を攻略できなかったセルティックス
セルティックスは6試合全てヒートに100点以上を許すなど持ち味であるディフェンス力が活かせませんでした。
得点面でもテイタム、ブラウンは平均20点以上を挙げましたがヒートは4人が約20点をマークし6人が2ケタ得点を記録するなど大きな差を付けられました。
また、ヘイワードが3戦から復帰を果たしましたがレギュラーシーズン程のパフォーマンスは見られず平均10点に止まっています。
※コロナウイルスの影響により同一会場で開催の為、ホーム&アウェイがありません
日付は日本時間
第1戦9月16日
セルティックス114-117ヒート
第2戦9月18日
セルティックス101-106ヒート
第3戦9月20日
セルティックス117-106ヒート
第4戦9月24日
セルティックス109-112ヒート
第5戦9月26日
セルティックス121-108ヒート
第6戦9月28日
セルティックス113-125ヒート
セルティックス2-4ヒート