NBA2019-20シーズンを振り返る~ボストン・セルティックス

昨シーズンはイースタン・カンファレンス4位でプレイオフに進出するもカンファレンス準決勝でバックスに敗れたセルティックス。

また、エースのカイリー・アービングが若手選手達と意思疎通が取れずコーチとも仲違いを起こすなど内紛が浮き彫りになりました。

今シーズンはアービングを放出し、ケンバ・ウォーカーを新たな司令塔に迎えるとチーム生え抜きのジェイソン・テイタムがエースへと成長しました。

戦力ダウンを指摘する声もありましたが、まとまりを見せたチームは昨シーズンを上回る3位でレギュラーシーズンを終えます。

プレイオフではカンファレンスファイルまで進みますがヒートに敗れました。

NBA2019-20シーズン振り返り記事はこちら

twitterやっています!フォローお願いします!

若手選手の台頭、ベテランの復調

今オフにはアービングに加えスターターのアル・ホーフォード、マーカス・モリスや控えのテリー・ロジアー、アーロン・ベインズといった主力選手を放出。

対してケンバ以外に獲得した即戦力はビッグマンのエネス・カンターくらいで残りはドラフト組という再建に乗り出したチームのような補強でした。

今季のスターターはケンバ、テイタム、ヘイワード、ジェイレン・ブラウン、ダニエル・タイスで昨季と比べると1枚以上落ちた印象は否めませんでしたが、成長力は格段に上がりました。

特に若手のブラウンは昨季の平均13点から20.3点まで跳ね上げリバウンド、アシスト、フィールドゴール率は全てキャリアハイを記録。

テイタムも平均15.7点から23.4点まで上げており、7リバウンド3アシストはキャリアハイとなっています。

また、セルティックにとって朗報だったのは加入してから2シーズン怪我と不調に苦しんでいたヘイワードの復調でしょう。

レギュラーシーズンの出場は52試合に止まりましたが、平均17.5点6.7リバウンド4.1アシストと全盛期には及ばずとも久々のハイアベレージとなりフィールドゴール率5割はキャリアハイの数字でした。

他にもタイスやシックスマンのマーカス・スマートも得点でキャリアハイをマークしています。

ディフェンス力が上り安定感のあるチームに

今季は開幕戦を落としましたが、その後10連勝を飾るなど最高のスタートとなります。

途中ヘイワードが骨折で戦線離脱になる時期もありましたが、頼れるシックマンのスマートが穴を埋めます。

また今季は失点数がリーグ2位と昨シーズンよりディフェンス力が高くなったのもチーム好調の大きな要因となりました。

その後オールスターブレイクには38勝16敗、リーグ中断時には43勝21敗の3位となり1.2位のバックス、ラプターズとはゲーム差が開きましたが4位のペイサーズは突き放しました。

ヘイワードの負傷離脱

順位決定戦では5勝3敗とまずまずの成績を残し、シクサーズとのプレイオフに進みましたが第1戦の終盤にヘイワードが足首を負傷しベンチに下がると試合後に4週間の戦線離脱になると発表されました。

痛い戦力ダウンとなりましたが、シクサーズも怪我人を抱えていた事もあり1回戦はスイープで勝利します。

2回戦ではディフェンディングチャンピオンのラプターズと対戦し延長戦を含め7戦までもつれる激闘となりましたが苦しみながらも振り切り2シーズンぶりのカンファレンスファイルに進みます。

対戦相手は優勝候補のバックスを破ったヒートで、初戦から延長戦になる激しい試合を落とすと2戦も敗北。

3戦と5戦は勝利を挙げますが得点力で差を付けられ2勝4敗でシーズンを終えました。

ヘイワードも3戦からチームに復帰しましたが、怪我明けのプレイオフでは調子を取り戻すには厳しく本来の姿は見られませんでした。

敗因

ヒート戦の敗因としてはアデバヨを封じられなかった事が大きいと思います。

ヒートはバトラーやドラギッチ、ロビンソン、ヒーロー、クラウダーなどスリーポイントを絡めて得点を挙げる選手が揃っており、インサイドはアデバヨとタイスのマッチアップになります。

アデバヨはスリーポイントは打たないもののペイントエリアでのジャンプシュートは確率が高くドリブルからアタックも仕掛けてきます。

これをタイスやカンターが止めるのは厳しく結果的にシリーズで平均21.8点を記録されました。

また、アシストもチームトップの5.2を記録するなど攻撃の起点となっていて自由を与え過ぎた格好です。

ラプターズ戦では攻撃的なセンターがいなく、シクサーズ戦ではエンビードに多くの得点を許しましたが、それ以外の選手の得点を抑えられていたので問題はありませんでした。

しかし、得点源が多いヒートとの試合ではインサイドがウィークポイントになったのは明らかでした。

今後の考察

今シーズンを振り返ってみてもテイタム、ブラウン、ケンバ、スマートはチームの核であり、来シーズンも中心メンバーとなるでしょう。

となるとやはりセンターの補強が必要になるでしょう。

今のチームバランスを考えるとインサイドで得点を重ねるオールドタイプよりミドル・ロングシュートも打てるホーフォードのようなビッグマンが合うと思います。

また、ヘイワードが怪我の可能性を持っている以上ベンチメンバーに得点を取れる選手が欲しい所です。

プレイオフではメインの6人を除けばブラッド・ワナメイカー、ロバート・ウィリアムズ三世、グラント・ウィリアムズなどが出場しましたが時間が短く得点も少ないです。

今のセルティックスはプレイオフ進出は問題ないチームなので、プレイオフでも安定して出場させられる控え選手が必要です。