5シーズンの間プレイオフから遠ざかっていたものの昨シーズンはウエスタン・カンファレンス2位となり台風の目となったナゲッツ。
プレイオフではカンファレンス準決勝でブレイザーズと対戦しフルゲームの末敗れました。
今オフはオールスター選手達が様々な動きを見せ、チームの勢力図が大幅に変わったウエスタンでしたがナゲッツは安定した戦いでリーグ3位に入りレギュラーシーズンを終えました。
プレイオフではセカンドラウンドで優勝候補のクリッパーズに勝利しますがカンファレンスファイルでレイカーズに敗れています。
昨シーズンの戦力を維持
今季ナゲッツはトレイ・ライルズ、アイザイア・トーマスを放出しサンダーからジェレミー・グラントを獲得しましたが、それ以外の大きな補強は行わずジャマール・マレーとの大型再契約を交わしました。
その結果大きな飛躍を見せた昨シーズンの主力メンバーであるニコラ・ヨキッチ、マレー、ポール・ミルサップ、ギャリー・ハリス、ウィル・バートンはチームケミストリーを更に高め今シーズンも全く同じスターターで臨む事になります。
ベンチメンバーではガードのモンテ・モリス、フォワードのトーリー・クレイグ、ビッグマンのメイソン・プラムリー、新加入のジェレミー・グラント、2018年ドラフト14位で入団したものの怪我で全休となり今シーズンからデビューとなるマイケル・ポーターJr.などが揃っています。
最大の強みである「安定感」で上位をキープ
今シーズンもリーグ屈指の万能型ビックマンであるヨキッチを中心に開幕から3連勝を飾ると、その後も着実に白星を重ね12月末には23勝9敗、オールスターブレイクには38勝17敗を記録します。
昨シーズンから失点数は若干増えているもののリーグ中断時には43勝22敗のリーグ3位と昨季とほぼ同じ成績となりました。
ヨキッチはチームで唯一73試合全てにスターター出場しており、平均19.9点9.7リバウンド7アシストとマルチな活躍を見せます。
3月には現役最速となる通算40回目のトリプル・ダブルを達成するなど今季も圧巻のパフォーマンスでチームを牽引しています。
他にもマレーがヨキッチに次ぐ平均18.5点をマークし、グラントは平均12点、ポーターJr.は平均9.3点4.7リバウンドとまずまずのスタッツを残しました。
プレイオフを前に主力が負傷離脱
リーグが再開し順位決定戦を迎える直前に平均15.1点6.3リバウンド3.7アシストをマークしていたバートンが膝のリハビリに専念するため離脱となりました。
更に平均10.4点2.9リバウンド2.1アシストを記録しアウトサイドシュートが得意なギャリー・ハリスも負傷し離脱するなどプレイオフを前にスターター2人を欠く事態となりました。
しかし順位決定戦ではポーターJr. がスターターに加わると2試合連続30点以上、4試合連続でダブル・ダブルを記録するなどポテンシャルが大爆発します。
プレイオフでもスリーポイントを武器に得点を重ねチームの勝利に貢献しました。
持ち前の粘り強さでクリッパーズを撃破
プレイオフでは1回戦でジャズと対戦し先勝するも連敗、そして連勝と第7戦までもつれる接戦となりましたが勝利を納めます。
2回戦では優勝候補筆頭のクリッパーズと対戦し第4戦を終えて1勝3敗と追い込まれますが、驚異的な粘り強さで3連勝を飾り撃破します。
カンファレンスファイルではレブロン率いるレイカーズとの対戦となり、第3戦で1勝を挙げますが積み重ねた疲労やマレーの負傷も影響し1勝4敗で敗れシーズン終了となりました。
結果的には完敗となりましたが、敗れた試合でも2ケタ点差から同点・逆転するシーンを作るなどチーム一丸となって素晴らしい活躍を見せてくれました。
今後の展望
来シーズンに向けてヨキッチ、マレー、ハリスはチームとの契約が残っていますが、ミルサップ、グラント、プラムリー、クレイグなどはオフに契約が切れるので、今シーズンの結果を踏まえてヨキッチとマレーに加えスター選手を獲得するのか、現状選手と再契約を交わすのか決断する事になります。
プレイオフを見る限りグラントや若手のポーターJr、モンテ・モリスはチームに必要な選手だと思います。
特にグラントとポーターJrは20点以上挙げる爆発力も兼ね備えていますが、平均得点がグラント11.6点、ポーターJr 11.4点、モリス9.1点と安定して高い点数を取れないのでヨキッチ、マレーの負担が大きくなってしまいます。
レギュラーシーズンであれば十分に戦えますがプレイオフではシリーズが長引けばガス欠に陥りますし怪我の可能性も高くなります。
本来はベテランのバートンがいるので得点力は上がると思いますが、今回のような負傷離脱のケースもあるのでボールを持てるスコアラーがもう1人いれば怖いチームになると思います。