NBA2019-20シーズンを振り返る~マイアミ・ヒート

昨シーズンは長年チームの象徴として活躍してきたドウェイン・ウェイドの現役ラストイヤーでしたが、主力選手の怪我やハッサン・ホワイトサイドの低調などでプレイオフ進出を逃したヒート。

オフには新たなチームの顔としてジミー・バトラーを獲得し今シーズンを迎えると順調に勝利を重ねイースタン・カンファレンス5位と好成績を残しました。

プレイオフでもリーグ1位のバックスを破るとカンファレンスファイルでもセルティックスを退けファイナルでレイカーズと対戦しますが惜しくも敗れています。

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スターターを大幅に変更

バトラーを獲得するにあたって昨シーズンからの主力メンバーを放出し、スターターを一新したヒート。

チームスコアラーのジョシュ・リチャードソン、ビッグマンのホワイトサイド、シーズン途中にはジェームズ・ジョンソン、ジャスティス・ウィンズロウ、ディオン・ウェイターズも放出しました。

新たなスターターには新加入のバトラー、マイヤーズ・レナード、若手成長株のバム・アデバヨ、ダンカン・ロビンソン、ドラフト外入団のケンドリック・ナンを起用しました。

昨季まで先発ガードを務めたゴラン・ドラギッチを控えに回し2019年ドラフト13位のタイラー・ヒーロー、デリック・ジョーンズJr、ケリー・オリニクなど若手とベテランをベンチに揃えた事で層の厚いチームとなりました。

また、シーズン途中にはプレイオフを見据えてディフェンスのスペシャリストであるアンドレ・イグダーラ、アウトサイドシュートとディフェンスが魅力のジェイ・クラウダーを獲得しています。

驚きの快進撃

今シーズンは開幕戦からバトラーを欠くなかで連勝スタートすると順調に白星を増やしていき12月末には24勝9敗と驚きの強さを見せます。

また、1月半までは連敗を1度もしないという安定感を発揮すると共にホームでは27勝5敗、勝率84.4%と圧倒的な数字も残しています。

結局リーグが中断する3月には41勝24敗の4位となりましたが、再開後の順位決定戦で3勝5敗と負け越し最終的にはリーグ5位でレギュラーシーズンを終えました。

嬉しい誤算

今シーズンのヒートの快進撃に驚いた人も多いのではないでしょうか。

その大きな要因は実績のない選手の台頭に尽きると思います。

ケンドリック・ナンはドラフトに指名されずGリーグでプレイした後にヒートと契約した選手で、開幕から5試合で112得点を挙げるなどフランチャイズレコードを樹立しその名を広めました。

レギュラーシーズンでは67試合全てに先発出場し平均15.3点2.7リバウンド3.3アシストを記録し一時は新人王候補にまで挙げられました。

ダンカン・ロビンソンは2018年に2WAY契約で入団しましたが、昨季はほとんど出番が無く実質今シーズンからのプレイとなりました。

スリーポイントが得意な選手でフリーになれるポジションへの動きも素晴らしく序盤から高確率で決めています。

73試合中68試合に先発出場し平均13.5点3.2リバウンド1.4アシスト、スリーポイント率44.6%を記録しました。

控え選手のタイラー・ヒーローは2019年ドラフト13位で入団した新人ですが、スリーポイントが上手くクラッチシュートを決める強いハートも持っています。

55試合にベンチから出場し平均13.5点4.1アシスト2.2アシスト、スリーポイント率38.9%を記録しました。

ヒートはこの3人がここまで活躍してくれると思ってなかったでしょうから嬉しい誤算になったと思います。

また、ダンカンとタイラーに加えドラギッチ、マイヤーズ・レナード、クラウダーなどスリーポイントを得意とする選手が集まった事でリーグ1位のスリーポイント成功率をマークしています。

快進撃はプレイオフでも

プレイオフは1回戦で4位のペイサーズと対戦しますが、主力に怪我人が出ていたとはいえ好調のペイサーズ相手にスイープで勝ち上がります。

2回戦の相手はリーグトップの成績を残した優勝候補のバックスでしたが、エースのアデトクンポを上手く抑え込み3連勝を飾ると第4戦は落とすものの4勝1敗で金星を挙げます。

カンファレンスファイルはディフェンディングチャンピオンのラプターズを倒し勝ち上がってきたセルティックス。

ディフェンス力の高いチーム相手に苦しめられますが、勢いに乗るヒートは4勝2敗でファイナルに進出します。

ファイナルではレブロン、デイビス率いるレイカーズと対戦しますが第1戦でドラギッチとアデバヨが負傷離脱する緊急事態に。

アデバヨは4戦から復帰しましたが総合力で勝るレイカーズに2勝4敗で敗れシーズン終了となりました。

今後の考察

今シーズンのヒートはアデバヨの急成長やロビンソンがシューターとして確立、試合を追うごとに覚醒したヒーロー、予想外の能力を発揮したケンドリックなど驚きの戦力アップに成功しました。

更にドラギッチ、バトラー、クラウダーが安定した能力を発揮した事で大幅な選手の入れ替えを行いながらもファイナルに進出し優勝まであと一歩の所まで上り詰めています。

オフにはクラウダーやドラギッチが制限なしのフリーエージェントになりますが再契約を希望するコメントをしており、残留する可能性が高そうです。

このメンバーで来シーズンを迎えられればヒーローやケンドリックは更なる成長も期待できますし、チームのケミストリーもまだまだ上昇できると思います。