3ポイント成功数歴代1位のピュアシューター「レイ・アレン」の実績を振り返る。裏切り行為と言われた移籍が生んだものとは？

現在のNBAで3ポイントシューターといえば、ステフィン・カリー（ウォリアーズ）を挙げる人がほとんどでしょうが、ピュアシューターで言えばレイ・アレンでしょう。

NBA歴代1位の通算2973本の成功数を持つレジェンド。

美しいスリーポイントシュートに魅了された人は多いはずです。

ここでは、レイの実績や当時話題になった移籍などについて触れていきます。

当初はシューターでは無かった？若手時代のプレイスタイル

ピュアシューターとして精度が高く美しいフォームで3ポイントを決めるレイですが、キャリア序盤のバックス時代は、今のように3ポイントを多用するプレイヤーは少なくビッグマン全盛期でした。

身体能力が高かったレイ・アレンもこの頃は、3ポイントだけでなく激しいダンクなど荒々しいプレイを見せていました。

実際1年目にはダンクコンテストにも出場しています。

バックスからスーパーソニックスへ移籍しスコアラーとして活躍していた中、2007年にトレードでセルティックスへ移籍。

そこでポール・ピアース、ケビン・ガーネットと共にビッグ3を結成し、レギュラーシーズンを首位で終えます。

勢いそのままにファイナルまで進みレイカーズを倒し、レイ・アレンは12年目にして初のチャンピオンリングを手にしました。

しかし翌年からは、チームや自身の調子の波が激しくプレイオフでは2009-10シーズンにファイナルに進出するもレイカーズに敗北。

そして2012年に当時レブロン・ジェームス、クリス・ボッシュ、ドウェイン・ウェイドらビッグ3要するマイアミ・ヒートへ移籍。

しかし、2010-11、2011-12シーズンのプレイオフで敗れたライバルチームへ移籍したレイ・アレンを、セルティックスのチームメイトやファンは裏切り者扱いし大きな溝を作ることになりました。

でも結局この後ケビン・ガーネット、ポール・ピアース、レイジョン・ロンドなど全員移籍するんですよね。

一番レイ・アレンに嫌悪感を抱いていたケビン・ガーネットに至っては

「俺の体には緑の血（セルティックスのカラー）が流れてる」

なんて言ってましたが結局移籍しました。

レイ・アレンだけがあんなに悪者にされる必要があったのでしょうか？

レイ・アレンは、ヒートでの1年目にプレイオフ・ファイナルに進みスパーズと対戦します。

この時のスパーズは強く王手をかけられて臨んだ第6戦でも第４Q残り5秒でスパーズがリード。

絶体絶命の中、ボールがレイに渡り3ポイントを放つとリングに吸い込まれ同点にします。

これで息を吹き返したヒートはオーバータイムに持ち込み勝利、続く第7戦も勝利しヒートは連覇、レイ・アレンは2つ目のチャンピオンリングを手に入れました。

翌年もプレイオフ・ファイナルで再びスパーズと戦うも完敗しビッグ3は解体、レイもヒートを退団しました。

結果的にそれ以降プレイする事なく2016年に引退発表をしました。

そして2018年には、これまでの功績が認められバスケットボール殿堂入りしました。

その後ピアースとは和解した事を明かしましたが、その他のメンバーとは変わらないようです。

皆と和解する姿を見たいですね。

2007–08シーズンのプレイオフ第５戦の当日に、レイの息子ウォーカー・アレンが糖尿病である事が発覚しました。

試合終了後にロサンゼルスの病院に向かい付き添い命の危機を乗り越えると、そのままボストンに急行しほぼ不眠不休のまま第６戦に出場し26得点を挙げ優勝に貢献しました。

この出来事の後レイ・アレンは、ウォーカーと同じく糖尿病を患う子供たちの為に援助を行ったそうです。