NBA2019-20シーズン プレイオフ進出が叶わなかったチームを振り返る~ワシントン・ウィザーズ

昨シーズンはドワイト・ハワードやエースであるジョン・ウォールの怪我などでチーム成績の浮き沈みが激しくプレイオフ進出を逃したウィザーズ。

今シーズンはコロナウイルスの影響でプレイオフのレギュレーションが変わり順位決定戦でプレイオフ進出を目指しましたが、検討虚しく敗退しました。

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ウォールは復帰せずシーズン全休へ

 2010年にドラフト1位でウィザーズに入団しフランチャイズプレイヤーとしてチームの顔となったウォール。

昨シーズンは怪我に苦しみながらも平均20.7得点、3.6リバウンド、8.7アシスト、1.5スティールを記録するなどチームの絶対的エースとなっています。

またゲームメイクを行うポイントガードなので、いる・いないではチームのバランスが大きく変わります。

そんなウォールは2019年2月に左足のアキレス腱部分断裂という大怪我を負い、当初復帰の時期は今シーズンの後半辺りと言われていましたが、結局今季はプレイをしませんでした。

リーグが中断した事でプレイオフの出場は可能だったようですが、2018年から100試合以上欠場している選手がプレイオフから復帰するのは怪我のリスクが高すぎる為、チーム共々来季からの完全復帰を目指すという事になりました。

チームも怪我人が続出

ウィザーズを苦しめたのはウォール以外にも続出した怪我人の多さでした。

11月にCJ・マイルズが手首の怪我で全休。

12月には開幕スターターを務めたトーマス・ブライアントや八村も怪我をすると、ウォールに変わってエースを務めたブラッドリー・ビールも負傷離脱となります。

また、ウォールのバックアップとして加入したアイザイア・トーマスはシーズン前に左手親指を負傷し開幕に出遅れると、復帰後も思ったようなプレイが出来ず2月のトレードで放出されました。

幸いビールの復帰が早く、シーズン終盤の大事な時期には怪我人が戻ってきた事でリーグ中断時点でプレイオフ圏外だったものの順位決定戦に進みました。

しかし、ビールやベルターンスなど主力が参加しなかった事もあり、8試合中1勝しか挙げられずにイースタン・カンファレンス9位でシーズンを終えました。

ポジティブな要素

今シーズン1番のポジティブな要素はビールの爆発力ではないでしょうか。

元々素晴らしいプレイヤーではありますが、ウォールが長期離脱した事や開幕前に大型契約を結んだ事でチームの中心選手であるという責任感が吉と出たのかも知れません。

最終的なスタッツは57試合全てに先発出場して平均30.5得点(リーグ2位)、4.2リバウンド、6.1アシスト、1.2スティールと得点、アシストはキャリアハイを記録しました。

しかし、右肩の怪我で順位決定戦には参加していません。

新加入組もチームの大きな戦力となりました。

スパーズから移籍したダービス・ベルターンスは主にベンチ出場の選手ですが、出場時間を大きく増やした今季は得点・リバウンド・アシストでキャリアハイを記録し得意のスリーポイントでチーム2番目のポイントゲッターになりました。

こちらは、コロナウイルスや怪我の予防のため順位決定戦には参加していません。

出場した41試合に全てスターター起用された八村も平均13.4得点(チーム3位)、6リバウンド(チーム2位)と確かな存在感を発揮しました。

順位決定戦では手薄となったチームの主軸になり大きな活躍を見せてくれました。

他にもウォールの穴埋めに獲得したイシュ・スミスやアイザイアの代わりに加入したシャバズ・ネイピアのガードコンビもチームの戦力となっています。

来シーズンの課題

ウィザーズの課題はリーグ最下位のディフェンス力です。

最下位でありながらプレイオフ圏内に止まれたのはリーグ6位という得点力があったからだと思います。

考えてみれば多くの怪我人を出し、平均20得点を挙げるウォールを欠きながらもリーグ6位の得点を記録できたのは驚異的な事だと思います。

来シーズンはウォールが復帰するでしょうから新たな得点源が増える筈です。

もちろんチームケミストリーや選手の入れ替えもあるので単純計算と言う訳にはいきませんが、ある程度の得点力は見込めるでしょう。

ウィザーズはオフにディフェンスを中心とした補強を掲げており、もし今の得点力を維持した状態で失点を減らせるチームになれば上位に上がれる可能性は高くなります。

ベルターンスは来季に無制限フリーエージェントとなるので再契約するか微妙な所ですが、プレイオフを勝ち上がるならば多少の得点力を下げてもディフェンス力の向上が優先事項でしょう。