NBA2019-20シーズン プレイオフ進出が叶わなかったチームを振り返る~サクラメント・キングス

13シーズン連続でプレイオフから遠ざかっていて低迷期を抜け出せないキングス。

しかし昨シーズンは39勝43敗と近年では最高の成績を残しており、オフには新たな戦力を補強した事で更なる飛躍が期待されましたがイレギュラーとなった今シーズンは31勝41敗とウエスタン・カンファレンス12位で終えました。

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序盤は躓くも終盤に巻き返しを図る

キングスは今シーズンもディアロン・フォックス、バディ・ヒールドのデュオが軸となり新加入のハリソン・バーンズやドウェイン・デッドモンらと共に開幕を迎えました。

しかし、開幕戦から5連敗と躓くと11月にはエースのフォックスが左足首の捻挫で離脱するなど嫌なムードが漂います。

得点力の乏しさも手伝い連敗が続くとフォックスが復帰してからも調子は上がらず1月には12勝22敗と大きく負け越していました。

2月に入ると、ようやく得点力が上がり調子を取り戻すとオールスターブレイク明けの10試合で7勝3敗を記録。

この時点で8位のグリズリーズとは3.5ゲーム差の11位だったキングスにとっては上がり調子だっただけに残りの15試合を消化してプレイオフを勝ち取りたかったでしょうが、その後リーグは中断しキングスは順位決定戦に参加する事になりました。

スターター変更で見えた復調の兆し

連敗続きだったキングスが復調し成績を挙げられた要因の一つがスターターの変更でした。

今季から指揮を執るルーク・ウォルトンHCはチーム2番目の得点源であるヒールドをベンチから出場させ、キャリア3年目のボグダン・ボグダノビッチをスターターに起用しました。

元々ベンチ層が薄くセカンドユニットに不安を抱えるキングスにとって爆発力のあるヒールドがシックスマンとして使えるのは試合のバランスを保つ事に繋がり、結果的にスタメン変更後の成績は13勝7敗と好調でした。

順位決定戦では、フォックスの捻挫やバーンズ、ヒールド、ジャバリ・パーカー、アレックス・レンらがコロナウイルスの検査で陽性反応が出るなどアクシデントが続き、結果的に全員出場できたものの3勝5敗と負け越しプレイオフ進出は叶いませんでした。

順位は低いものの実りのあるシーズン

2019-20シーズンを12位で終了し14年連続でプレイオフから遠ざかっているキングスですが、確かな変化が見られているのも事実です。

昨シーズンはゲーム差が開いていたものの9位まで順位を上げ、今シーズンも12位とはいえ8位のブレイザーズまで3ゲーム差と肉薄していました。

序盤のフォックスの怪我や新加入したトレバー・アリーザ、デッドモンがフィットせず放出した事、平均14得点、7リバウンドを記録する期待の若手マービン・バグリー三世が負傷により13試合の出場に止まった事などを考えれば大健闘とも言えるシーズンだったのではないでしょうか。

タレント豊富なチームに

キングスと言えば完全なるヤングコアのチームというイメージですが、今や中堅からベテランまで揃ったタレント豊富なチームとなりました。

今シーズンはフォックス、バーンズ、ビエリツァ、ボグダノビッチ、ジャイルズ三世がスターターを多く務めベンチからはヒールド、リショーン・ホームズ、コーリー・ジョセフなどが出場しています。

中でもサンズから移籍したビッグマンのホームズは平均12.3点、8.1リバウンド、1.2ブロックと全てキャリアハイを記録し攻守でチームに貢献しました。

また、シーズン途中に加入したディフェンス力の高いケント・ベイズモアや控えセンターのアレックス・レン、ベテランのコーリー・ブリューワーも来シーズンに向けて心強い存在になるでしょう。

今後の展望

来シーズンも基本的には今季と同じメンバーでプレイオフ進出を狙う事になるでしょう。

チームとしては今シーズン途中からスターターとなり平均15.1点、3.4リバウンド、3.4アシストを記録したボグダノビッチが、オフにフリーエージェントになるため再契約する事が最優先になりそうです。

今シーズンのチームの失点数はリーグ17位とまずまずの成績でしたし、来季も継続できる筈です。

得点数はリーグ22位と例年に比べ低めでしたが、得点源である選手の怪我が大きく影響しているので問題ないでしょう。

また、シーズン途中からシックスマンとなり一時は自身の出場時間や扱いに対し公の場で不満を口にする事もあったヒールドもコーチ陣との話し合いで解決に向かったようです。

もはや再建中ではなくプレイオフを狙えるチームに変貌を遂げたキングスにとって、今シーズンの結果は悔しさと共に手応えも感じられた筈です。

果たして来シーズンは15年振りのプレイオフ進出を見られるのか楽しみです。