NBA2019-20シーズンプレイオフ セカンドラウンド(イースタン) ミルウォーキー・バックス(1)vsマイアミ・ヒート(5)

ファーストラウンドではマジック相手に初戦を落としながらも、キッチリ立て直し4連勝で勝ち上がったバックスと、4位のペイサーズに危なげなくスイープで勝ち上がったヒート。

統率の取れたコミュニケーション抜群のバックスに対し、未だチームケミストリーが高まっている未知数のヒートとの楽しみなカードになりました。

レギュラーシーズンの対戦ではヒートが2勝1敗とリードしているのも興味深い結果です。

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ペイントエリアで強さを誇るバックスVSスリーポイント成功率1位のヒート

バックスはレギュラーシーズンで得点数リーグ1位、失点数リーグ8位を記録した攻守にバランスが取れたチームですが、平均リバウンド1位、平均ブロック3位という数字を見て分かるようにゴール付近では特に強さを発揮します。

オフェンス時にはアデトクンボのポストアップやペトレイトは勿論、ミドルトンやブレッドソーもインサイドにアタックを仕掛けてきます。

また、シュートが外れてもロペスやアデトクンボがリバウンドやティップインでセカンドチャンスに繋げてしまいます。

ディフェンス時には中途半端な位置でのジャンプショットやレイアップではブロックの餌食になりますし、1on1でも押され負けしないフィジカルの強さも兼ね備えています。

ヒートとしてはバム・アデバヨ、ジェイ・クラウダー、ケリー・オリニクなどビッグマンのパフォーマンスが勝利の鍵になるでしょう。

 

昨シーズンからスターターの顔触れを全て入れ替えたヒート。

今季から加入したジミー・バトラーを軸にシューターのダンカン・ロビンソン、攻守で貢献できるジェイ・クラウダー、成長株のビッグマンであるバム・アデバヨ、プレイオフからスターターに加わったゴラン・ドラギッチがスターターになっています。

ベンチメンバーも層が厚くタイラー・ヒーロー、ケリー・オリニク、ケンドリック・ナン、アンドレ・イグダーラなどが控えています。

今季のヒートの特徴はリーグ1位のスリーポイント成功率でスターターではアデバヨ以外は全員打ってきます。

チーム全体ではあまり確率が良くなかったファーストラウンドでもロビンソン、ドラギッチは4割以上の確率で決めており、インサイドに優れるバックスに対し有効な武器となります。

まさかの3連敗

第1戦バックスはブレッドソーを欠いて臨みましたが1クォーターを40-29と大きくリードします。

しかし、この日18点に終わった事から分かるようにヒートはアデトクンボを厳しくマークしゴール付近で自由にさせません。

すると徐々にリズムが悪くなるバックスを尻目にドラギッチ、アデバヨ、バトラーが得点を重ねていきます。

試合は4クォーター終盤まで接戦となりましたが、この日チームハイの40点を挙げたバトラーが連続得点で突き放し勝利します。

2戦は序盤からヒートが激しいディフェンスとドラギッチの攻撃を軸にリードする展開となります。

バックスは復帰したブレッドソーやロペス、アデトクンポが得点するものの2クォーター中盤には最大13点差を付けられます。

この日オフェンスリバウンドで17-7と圧倒したバックスはセカンドチャンスポイントで追い上げますが、スリーポイントが好調なヒートから中々リードを奪えず4クォーター終盤へ。

それでも残り4秒にミドルトンのフリースローで同点に持ち込みオーバータイム突入と思われましたが、最後に放ったバトラーのシュートをアデトクンボがファウルしフリースローを決められ敗北。

連敗となりました。

3戦は序盤からバックスがリードを奪うと3クォーター終盤にインサイドで得点を重ね12点差を付けます。

しかし4クォーターに入ると一転、ヒートが猛攻を仕掛け中盤には16-2のランを見せ逆転勝利で王手をかけました。

バックスはこの日29.7%と低かったスリーポインがゴールに嫌われ続け4クォーターに40-13と大差を付けられ逆転負けとなります。

レギュラーシーズンでは3クォーター終了時点でリードしていた試合は48勝1敗だったバックスなだけに驚きの展開になりました。

アデトクンボの負傷離脱

4戦は1クォーターをヒートがリードすると、2クォーター序盤にアデトクンボが右足首を痛め負傷退場する緊急事態に。

得点源とゴール下での高さを失ったバックスにヒートが襲いかかりますが、チーム総攻撃で迎え撃ちオーバータイムに持ち込みます。

延長戦ではこの日36点を挙げたミドルトンが得点を重ねエース不在の土壇場で勝利をもぎ取りました。

アデトクンボが欠場となった5戦でしたが、1クォーターからディフェンス重視のバックスの前にヒートがターンオーバーを連発すると得点も決まらず28-19とリードされます。

しかし、2クォーターには得意のスリーポイントが決まり始めると、アドバンテージが無くなったゴール下でも得点を挙げバックスを逆転します。

後半は互いにターンオーバーを繰り返し膠着状態になりますが、アデトクンボ不在のバックスはミドルトンがボールを持つ時間が多くなり、そこを狙い目にディフェンスを強めたヒートはリードを譲る事なく勝利しセカンドラウンドを突破しました。

バックスをチーム力で切り崩し完勝

リーグ1位で圧倒的な安定感を見せてきたバックスを完全に崩壊させ完勝したヒート。

1戦は執拗にアデトクンボの動きを封じ自由にさせず、3戦は完全なるバックスペースの勝ちパターンから4クォーターに40-13と27点差を付けて最多得点差記録まで樹立しました。

ヒートはこのシリーズ全てでスリーポイント率35~38%と安定していましたが、特別良かった訳でもありません。

やはり粘り強いディフェンスと劣勢に立たされた中でもハードワークを怠らず足を動かし続けたチーム力の賜物でしょう。

敗戦から見えたチームの課題

今回の敗戦から分かったのはアデトクンボ、ミドルトンの出来次第で勝敗が分かれてしまうという事です。

アデトクンボは1戦のように執拗にマークされるとスリーポイント率は大幅に下がりますし、周りの選手も機能しなくなり劣勢となります。

ミドルトンは4戦のように36点を挙げる活躍が出来れば勝利に導けますが6戦のように20点前後に抑えられれば攻め手を欠いてしまいます。

バックスはアデトクンポがディフェンスを引き付け他の選手達が得点を挙げるので、今シリーズのような展開になった場合アデトクンポ、ミドルトン以外に個人で得点を挙げられる選手がいないと厳しいのかも知れません。

 

コロナウイルスの影響により同一会場で開催の為、ホーム&アウェイがありません

 

日付は日本時間

 

第1戦9月1日

バックス104-115ヒート

 

第2戦9月3日

バックス114-116ヒート

 

第3戦9月5日

バックス100-115ヒート

 

第4戦9月7日

バックス118-115ヒート

 

第5戦9月9日

バックス94-103ヒート

 

バックス14ヒート