2010-11シーズン以降プレイオフに出場できておらずドアマットチームになっているサンズ。
デビン・ブッカーを主軸に毎年選手を入れ替えていますが結果は伴わず、コロナウイルスの影響でレギュレーションが変わった今シーズンは順位決定戦で見せ場を作りましたが最終的に34勝39敗のウエスタン・カンファレンス10位で終了しました。
序盤こそ健闘したものの・・・
今シーズンのサンズはエースのブッカー、ケリー・ウーブレイJr、ディアンドレ・エイトンに加え、新加入のリッキー・ルビオ、ダリオ・シャリッチでスタートしました。
開幕戦を白星で飾った矢先、キャリア2年目のビッグマンであるエイトンが薬物規定に違反したとして25試合の出場停止となってしまいます。
エイトンに代わりゴール下を守ったのはセルティックスから移籍してきたベテランのアーロン・べインズで、その後12月までは五分の成績を残していましたが8連敗したのをキッカケに黒星先行に変わっていきました。
また終盤の2月にはスターターを務め平均18.7得点、6.4リバウンドを記録していたウーブレイが半月板損傷の怪我を負いシーズンアウトになりました。
変化が見えたシーズン
結果的にプレイオフに進む事は出来ませんでしたが、今シーズンのサンズは明らかな変化が見られました。
昨シーズン27位だったチームの失点数は21位まで上がっていますし、23位だった得点数は何と14位まで増えています。
この要因は1試合9個のアシストを生むルビオの存在が大きく、実際19位だった昨シーズンのチームアシスト数は今季リーグ1位となっています。
ルビオがジャズに所属した近2シーズンはドノバン・ミッチェルがいたので完全なガードとしての役割が出来ずアシスト数も減っていましたが、サンズでは司令塔として本来の能力を発揮しています。
また、それによりブッカーは攻撃面での負担が軽くなるだけでなく懸念されている怪我の対策にも繋がります。
順位決定戦で驚きのパフォーマンス
コロナウイルスによるリーグ中断時点で26勝39敗の13位とプレイオフ圏外にいたサンズでしたが、8位のグリズリーズと6ゲーム差だった事でレギュレーションにより順位決定戦の参加が可能になりました。
しかし、チーム2番目の得点源であるウーブレイの負傷離脱で厳しい戦いになる事が予想されましたが、蓋を開けてみれば次々と勝利を重ね唯一無傷の8連勝を飾ったチームとなりました。
中でもブッカーは安定した活躍を見せ平均30.5得点、4.9リバウンド、6アシストを記録しチームを牽引しました。
また、サンズにとってポジティブな要素になったのはルビオ、シャリッチ、エイトン以外にもミケル・ブリッジズ、キャメロン・ジョンソン、キャメロン・ペインなど若手選手も日替わりで活躍を見せてくれた事です。
決してブッカー1人だけが奮闘して勝ったわけでなくチーム全員で掴んだ結果なので来シーズンに向けて自信に繋がるのではないでしょうか。
残念ながらブレイザーズとグリズリーズを追い抜くまでには至らず10位で終えましたがプレイオフに進出したブレイザーズとは僅か0.5ゲーム差でした。
新加入選手の活躍が光る
今シーズンは新加入となった選手の活躍が多く見られました。
先程触れたルビオは平均13点、4.7リバウンド、8.8アシストとキャリアハイに迫る数字を残し、弱点とされたスリーポイント率は36.1%とキャリアハイを記録しています。
シャリッチはスタッツを落としたものの序盤はスターターとして活躍しシーズン後半ではベンチから出場してアウトサイドシュートを主体に得点を重ねました。
スリーポイントも打てるビッグマンのベインズは出場時間、得点、リバウンド、アシストでキャリアハイを記録しています。
怪我で出場機会が39試合となりましたがフランク・カミンスキーやドラフト11位のキャメロン・ジョンソンの活躍も光りました。
今後の展望
今シーズンのサンズが記録した34勝39敗はブッカーが加入した2015-16シーズン以来最高成績となりました。
チームスタッツを見ると中断前の時点で平均失点21位、平均リバウンド22位、平均ブロック28位とやはりディフェンス力に課題がありますが、ディフェンシブ・レーティングは19位とそれほどひどい数字ではありません。
逆にオフェンスでは先程紹介したように平均アシストが1位になった事で得点数が14位まで上がりオフェンシブ・レーティングは16位でした。
今シーズンの結果を見てもオフは大きく動かず、ルビオとブッカーを筆頭にチームケミストリーの向上を図るのが最善かと思います。
そうなれば自ずとチームスタッツも順位も上がるでしょうしプレイオフも見えてくるのではないでしょうか。