NBA2019-20シーズンを振り返る~ロサンゼルス・レイカーズ

2012-13シーズン以降プレイオフ進出から遠ざかっているレイカーズ。

2016年にチームのレジェンドであるコービー・ブライアントが引退し、新たなチームを作るにあたって昨シーズンにレブロン・ジェームズを獲得しました。

しかし、若手中心だったチームの戦力不足は明らかでレイカーズはリーグ10位に終わりレブロン自身も14年ぶりにプレイオフを逃す結果になりました。

今シーズンは兼ねてから噂のあったアンソニー・デイビスを獲得し、リーグトップクラスのデュオを結成した事で優勝候補の一角に挙げられました。

下馬評通りの強さでレギュラーシーズンを1位通過すると、プレイオフでも安定した試合運びで勝ち上がり見事にチャンピオンとなりました。

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成長株の若手を放出し優勝を狙えるチームへ

レイカーズはデイビスという大物を獲得するために昨季主力として活躍したブランドン・イングラム、ジョシュ・ハート、ロンゾ・ボールという将来有望な若手選手とドラフト1巡目指名権を手放しました。

決して小さな代償ではありませんが、レブロンもすでに35歳になり怪我に苦しむ事も少なくない中で目の前の勝利を手にして即優勝を狙える為のチーム作りを行う意思表示です。

レイカーズは他にもダニー・グリーン、デマーカス・カズンズ、エイブリー・ブラッドリー、ドワイト・ハワード、ジャレッド・ダドリーに加えシーズン途中にマーキーフ・モリス、ディオン・ウェイターズを獲得しています。

また、ヘッドコーチにはフランク・ボーゲル、アシスタントコーチにはジェイソン・キッドを迎えるなどチームスタッフ、シューター、ディフェンス力、得点力とバランスの良い補強をしており優勝に対する意識の高さが伺えます。

残念ながらカズンズはシーズン前に左膝前十字靭帯を断裂の怪我を負い解雇され代役としてハワードが加入しました。

堂々のウエスタン1位に君臨

今シーズンのスターターはブラッドリー、グリーン、デイビス、レブロン、ジャベール・マギーと新加入の3人を加えスタートしました。

開幕戦は同じく優勝候補のクリッパーズと対戦し敗れましたが、次戦から7連勝すると1回負けては連勝を繰り返していきます。

途中に怪我人も出しましたが長期離脱する事もなく、リーグ中断時点で49勝14敗の1位と貫禄を見せつけました。

今季はベンチメンバーの活躍も素晴らしく控えながらチーム3位の得点源となったカイル・クーズマ、ロールプレイヤーとしての役割を受け入れたドワイト・ハワード、ベテランガードのラジョン・ロンドやアレックス・カルーソがチームの勝利に貢献しました。

得点力よりもディフェンス力を強化

レイカーズの強さはデュオの破壊力やベンチメンバーの貢献もありますが、ディフェンス力を強化した事が大きいです。

ディフェンシブ・レーティングは昨シーズンから大きく改善されリーグ3位を記録し平均失点3位、平均スティール4位、平均ブロック1位と高い水準をキープしました。

元々デイビスはリーグトップクラスの守備能力を備えていますし、ブラッドリーやグリーンもディフェンス力に長けた選手です。

また、ブロック数1位のスタッツからも分かるようにレブロン、デイビス、ハワード、マギーのビッグマンがゴール下付近で大きな脅威となっていました。

これは優勝候補のバックスやクリッパーズにも言える事ですが、プレイオフで勝ち抜くには得点力だけでなく守備力も兼ね備えていなければならないのは昨シーズン優勝したラプターズや連覇を果たしたウォリアーズを見ても明らかです。

10年振りの優勝

リーグが再開したレイカーズに痛手となったのが家庭の事情により不参加を表明したブラッドリーと、練習中に指を骨折したロンドが6~8週間の離脱になった事です。

順位決定戦ではチームの調子が上がらず3勝5敗と負け越し、迎えたブレイザーズとのプレイオフ1回戦では初戦を黒星でスタートする嫌な流れとなります。

それでも2戦目からはディフェンスを中心に立て直し4連勝で突破すると2回戦では強敵ロケッツと対戦します。

スモールラインナップで戦うロケッツに第1戦を落としますが、2戦目からはキッチリ修正し4連勝で撃破。

カンファレンスファイルではクリッパーズを破ったナゲッツと対戦しヨキッチとマレーに手を焼きましたが終わってみれば4勝1敗で完勝。

ファイナルの相手は優勝候補のバックスではなく、そのバックスを倒したヒートと激突。

しかしヒートはドラギッチやアデバヨなど主力が負傷離脱した影響もあり連勝でスタートすると、3戦と5戦を落としますがチーム力で勝るレイカーズがねじ伏せ10シーズンぶりの優勝を果たしました。

今後の展望

今シーズンはレイカーズ、クリッパーズ、バックスが優勝候補に挙げられましたが、ベンチ層の薄さを危惧する声も多かったレイカーズ。

しかしプレイオフではロンドやカルーソ、モリスなどが大きな活躍を見せ勝利に貢献し、2020年1月に亡くなったコービー・ブライアントに優勝を捧げました。

今後を考える上で1番の問題は、今シーズン限りの契約となっているデイビスがレイカーズに残留するかという事でしょう。

1月にはレイカーズからの4年1億4,600万ドルの提示を断ったと報道されており、去就問題が話題になりました。

とはいえ契約期間や内容は別にしても再契約するのが濃厚とされています。

来シーズンはディフェンディングチャンピオンとして臨むレイカーズですが、プレイオフで不覚をとったクリッパーズは巻き返しを図るでしょうし、ナゲッツ・ロケッツ・ブレイザーズなども怖い存在になりそうです。

また、今季最下位に終わったウォリアーズも虎視眈々と優勝を狙っています。

イースタンではヒートは勿論、バックスやシクサーズも積極的な補強を行う筈です。

そして来季の優勝候補になるであろうデュラント、アービング擁するネッツもいます。

全てにおいてイレギュラーなシーズンとなった2019-20シーズンを盤石と言える強さで優勝したレイカーズですが、来シーズンは更にタフなライバルが増えそうです。