昨シーズンは長年チームを率いたクリス・ポール、ブレイク・グリフィン、ディアンドレ・ジョーダン時代が終焉となり、新たなチームに生まれ変わったクリッパーズ。
今季からカワイ・レナード、ポール・ジョージという攻守に優れた2人がチームの主軸になった事から優勝候補に挙げられる存在となりました。
チームを長年支えたレジェンドのダーク・ノヴィツキーが昨シーズン限りで引退し2018年ドラフト5位のルカ・ドンチッチが新たな顔となったマーベリックス。
昨シーズンの途中にはクリスタプス・ポルジンギスを獲得しましたが、前十字靱帯の負傷によるリハビリの為プレイはしておらず今シーズンからコンビ結成となります。
レギュラーシーズンの対戦ではクリッパーズの3戦全勝でした。
リーグNO.1の選手層を誇るクリッパーズ
ロスターの顔触れだけを見ればクリッパーズは間違いなくぶっちぎりの優勝候補でしょう。
昨年は平均26点を挙げファイナルMVPも受賞したレナードと昨年サンダーで平均28点を記録したジョージ。
どちらも守備では相手のエースにマッチアップするディフェンス力も兼ね備えています。
周りにはシックスマン賞を3度受賞しているルー・ウイリアムス、チーム3番手の得点力に守備も上手いモントレズ・ハレル、しつこいディフェンスと献身的なプレイが持ち味のパトリック・ベバリー、スリーポイントシューターのランドリー・シャメットがいます。
更にシーズン途中にはピストンズで先発ガードを務めていたレジー・ジャクソンや平均2ケタ得点を挙げフィジカルに優れたマーカス・モリスも獲得しました。
どの時間帯でも得点力が計算できて、個のディフェンス力が高い選手も揃っているので強いのは当然ですが、ウィークポイントがあるとすれば怪我人が入れ替わりで出ていた事によりチームケミストリーの構築がイマイチという事でしょう。
ドンチッチ・ポルジンギスだけのチームではない
昨シーズンのリーグ14位から7位まで順位を上げプレイオフ進出を決めたマーベリックス。
原動力は昨年新人王を受賞し、今季も28.8点、9.4リバウンド8.8アシストと平均トリプル・ダブル並みの成績を記録したドンチッチと、平均20.4点9.5リバウンド2ブロックを記録しゴール下からスリーポイントシュートまで幅広く得点を重ねディフェンスでも存在感を発揮したポルジンギスである事は間違いありません。
しかし、2人以外にもスリーポイント率39.8%をマークし平均15.8得点を挙げたティム・ハーダウェイJrや、スリーポイント率45.2%と高確率で平均12.4点をマークしたセス・カリー、攻守で貢献できるビックマンのドワイト・パウエル、着々と成長を見せるマキシ・クレバー、ドリアンフィニースミスなどの活躍も大きくチームの得点数はリーグ3位まで上がりました。
残念ながらパウエルやベテランのコートニー・リー、若手のジェイレン・ブランソンを怪我で欠きましたが代わりに補強したトレイ・バークも順位決定戦で平均12点を挙げる活躍を見せており、ウエスタン7位とはいえ侮る事の出来ないチームです。
ポール・ジョージの不調と好調
レナードが29点ジョージが27点を挙げドンチッチが42点を挙げた第1戦は4クォーター終盤まで接戦となりましたが勝負を分けたのはスリーポイントでした。
マーベリックスは2点シュートが多くクリッパーズは効果的にスリーポイントを沈めた事で徐々に点差が付き、逃げ切り勝ちとなりました。
ジョージが14点と不調に終わった2戦は、クリッパーズのスリーポイント率が29.4%と低くターンオーバーを15記録するなどバタバタした展開になります。
結局全てのクォーターでマーベリックスにリードされ完敗となります。
荒れ気味となった3戦は厳しいディフェンスから得点に繋げた2クォーターにクリッパーズが45-31と突き放します。
4クォーターに追い上げられるも逃げ切ったクリッパーズですが、ジョージが11点とまたも不発に終わりました。
オーバータイムに突入した4戦はレナードとルーが合わせて68点を挙げましたがジョージが僅か9点に止まります。
一方でポルジンギスを怪我で欠いたマーベリックスはドンチッチが43点を挙げる大活躍を見せ最後はブザービーターを決められシリーズはタイに戻ります。
ジョージが35点を挙げ復調した5戦は1クォーターに19-0のランを見せるなど41-22と大差を付けます。
この差が縮まらず4クォーターで更に点差を広げたクリッパーズが154点を挙げ大勝しました。
レナードとドンチッチの点の取り合いになった6戦は1クォーターこそマーベリックスにリードを許しましたが2クォーターに逆転すると、その後は1度もリードを譲らず勝利し1回戦を突破しました。
痛すぎるポルジンギスの負傷離脱
第1戦で右膝を痛めたポルジンギスは4戦から欠場していましたが、6戦の前に右足半月板断裂と発表され全休が決定しました。
出場した3試合で平均23.7点8.7リバウンド1ブロックを記録し、スリーポイント率52.9%をマークしていたポルジンギスの不在は厳しく相棒のドンチッチに大きな負担が掛かりました。
4戦こそ劇的なブザービーターで勝利しましたが、ジョージが9点と絶不調だった事に助けられたのも確かですし、5.6戦はチームの総合力の差が如実に出た結果となりました。
レナード、ルーの得点力
ジョージの波が激しかった1回戦で平均32.8点9.4リバウンド4.8アシスト1.8スティールを記録したレナード。
フィールドゴール率も52.3%と高く淡々と得点を積み上げていく姿はチームにとって頼もしい限りでしょう。
また、ふくらはぎの怪我で1戦以降ベバリーが欠場となりましたがシャメット、ジャクソン、ルーが見事にカバーしています。
特にルーはチーム3番手の平均18.2点をマークするなどシックスマン賞に相応しい活躍でした。
マーベリックスはドンチッチで文句はないでしょう。
足首を痛めながらも平均31点9.8リバウンド8.7アシストを記録しブザービーターという勝負強さも見せつけました。
また、マーカス・モリスにトラッシュトークやハードファウルで挑発されたのも今後の肥やしになるかもしれません。
※コロナウイルスの影響により同一会場で開催の為、ホーム&アウェイがありません
日付は日本時間
第1戦8月18日
クリッパーズ118-110マーベリックス
第2戦8月20日
クリッパーズ114-127マーベリックス
第3戦8月22日
クリッパーズ130-122マーベリックス
第4戦8月24日
クリッパーズ133-135マーベリックス
第5戦8月26日
クリッパーズ154-111マーベリックス
第6戦8月31日
クリッパーズ111-97マーベリックス
クリッパーズ4-2マーベリックス