長らく低迷が続いていたシクサーズですが、ジョエル・エンビードとベン・シモンズが揃った2017–18シーズンから2年連続でカンファレンス準決勝まで駒を進めています。
イレギュラーとなった今シーズンは怪我人の影響もありイースタン・カンファレンス6位でプレイオフに進みましたが1回戦でボストン・セルティックスに敗れています。
主力の放出
昨シーズンのシクサーズはカンファレンスを3位で通過すると2回戦でラプターズと激突。
第7戦までもつれた死闘はカワイ・レナードの劇的なブザービーターで幕を閉じましたが、後のチャンピオンを1番苦しめたチームでした。
昨シーズンもチームの軸はエンビードとシモンズでしたが、試合によっては2人より活躍を見せビッグショットを決めるなど大きな戦力となっていたジミー・バトラーや、スリーポイントシューターとして平均2ケタ得点を挙げたJJ・レディックをオフに放出しました。
補強としてビッグマンのアル・ホーフォード、昨シーズン平均16.6得点、3.6リバウンド、4.1アシスト、1.5スティールを記録したジョシュ・リチャードソンを獲得。
シーズン途中には平均で2ケタ得点を挙げるアレック・バークスとグレン・ロビンソン三世が加入しています。
またも襲い掛かる怪我
類いまれな身体能力にビッグマンながら広いエリアから狙えるシュート力を持つエンビート。
リーグトップクラスのセンターではありますが骨折や背中、顔、足首、膝などの度重なる故障でデビューからフル出場できた事がありません。
そして今シーズンも1月に橈側側副靭帯断裂の怪我を負い離脱。
幸い9試合の欠場だけで復帰となりましたが、順位決定戦の途中には左足首を負傷するなど五体満足のシーズンとはいきませんでした。
また、レギュラーシーズン中には新加入で平均13.7点、3.2リバウンド、2.9アシストを記録したリチャードソンがハムストリングを痛め離脱、司令塔で平均16.4点、7.8リバウンド、8アシストを記録したベン・シモンズも背中の怪我で離脱しました。
中盤から終盤に失速
今シーズンを振り返ると開幕戦をシモンズ、エンビード、トバイアス・ハリス、リチャードソン、ホーフォードでスタートし5連勝を飾ると11月から12月に掛けて勝ち星を積み上げていきますが、主力に怪我人が出ると徐々に得点数が減っていき連敗する事も増えました。
それでも72試合全てにスターター出場し平均19.6点を挙げたハリスやホーフォード、ベンチメンバーが一丸となり踏ん張りを効かせました。
また、ホームでは31勝4敗と驚異的な強さを誇りますがアウェーでは12勝26敗と散々な結果に。
更に第4クォーターに得点が取れず競り負ける事が多いなど、今までに無かった問題にも直面しています。
結局リーグが中断になるまで明確な打開策を見つけられず、再開後の順位決定戦を4勝4敗で終え6位でプレイオフに進みました。
新加入組の活躍
今シーズン加入した選手は派手さこそ無いですが、堅実で自分の仕事をこなせる選手が多いです。
スターターのリチャードソンとホーフォードは、昨シーズンから得点数が落ちていますがインサイド・アウトサイドどちらでも得点が可能でディフェンス力にも定評がある選手です。
バークスとロビンソン三世はウォリアーズの時ほど活躍出来ていませんが、バークスは攻守に優れロビンソン三世はスリーポイントが得意な選手です。
バトラー、JJ・レディックを放出した事や主力の怪我により得点不足に苦しんだシクサーズですが、ディフェンスに優れた選手が増えた事で失点数も大きく減少しています。
シモンズの無期限離脱により惨敗
今季は決して順調と言えないシーズンを送ってきたシクサーズ。
しかし3シーズン連続のプレイオフ進出を決め、気持ちを入れ替えて臨みたい所でしたが順位決定戦の試合中にシモンズが左膝を痛め残り試合を全休する事になりました。
得点もさることながらゲームメイクやパスセンスにも優れ試合の流れを作っていたシモンズの穴はシェイク・ミルトンでは埋める事が出来ず大きな戦力ダウンは明らかでした。
自身のコンディションも万全ではないエンビードは全ての試合で25点以上、2ケタリバウンドを記録するなど獅子奮迅の活躍を見せましたが、チームはセルティックスにスイープで敗れました。
今後の展望
3シーズンプレイオフには進出しましたが、カンファレンス準決勝敗退が2回、1回戦負けが1回となっている為これ以上チームに伸びしろを感じられないと球団が判断すれば再建に乗り出す可能性もあると思います。
その場合、シモンズかエンビードのどちらかをトレードに出す事になるでしょうが以前からトレードの噂が絶えないのはシモンズです。
エンビードは
「ベンとは引退まで一緒にプレーしたい」
とコメントしていますが、来シーズンもコンビでのプレイは見られるのでしょうか。