バックスは、優勝候補にも上がったセルティックスを3勝1敗で破り、1，2回戦でわずか1敗しかしておらず全ての試合で100点以上を挙げるなど、レギュラーシーズンの勢いそのままに絶好調です。
対するラプターズは、セカンドラウンドでシクサーズを相手に第7戦までもつれましたが、レナードのブザービーターで劇的な勝利を納めました。
両チームは2017年のプレイオフ1回戦で戦い4勝2敗でラプターズが勝ちましたが、アデトクンボが本格化する前でしたし、ラプターズは今のメンバーと大分違うので参考にならないでしょう。
レギュラーシーズンではバックスの3勝1敗でした。
非常によく似た両チーム
この2チームはポジションでの役割や得点源など共通点が多いです。
ガードはラウリーとブレッドソーでペトレイトやロングシュートで得点を挙げ平均得点もほぼ同じ。
エース以外の得点源ではシアカムとミドルトン。
得点の安定感ではミドルトンですが、爆発力ではシアカムの方があるだけに怖い存在です。
センターはゴール下のテクニックやディフェンス力があり、3ポインも打てるベテランのガソルとロペス。
この3組に至っては身長や体格もほぼ同じです。
セカンドラウンドからスターター起用が増えたミロティッチはグリーンと同様にシューターですので、どちらがタッチを掴めるか楽しみです。
そしてエースはもちろんアデトクンボとレナードです。
あまりマッチアップしないと思いますが、互いに得点力と周りを生かせる力があるので、どれだけ抑えられるかが勝敗のカギになります。
また、2人がベンチに下がっている時間帯にどれだけ得点を伸ばせるかもポイントになるので、バックスはジョージ・ヒル、カナトン、イリヤソバ。
ラプターズはイバカ、バンブリート、パウエルの活躍が必須です。
1，2回戦ではバックスの方が得点者も得点数も多かったです。
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お互いにホームコートで持ち味を発揮する展開に
バックスのホームで始まった第1戦は、お互い厳しいディフェンスの応酬になりましたが前半はラプターズの3ポイントが良く決まりアデトクンポの攻撃を抑え込みます。
バックスは序盤シュート確率が悪くリードを奪われますが、徐々にオフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを重ねていきます。
後半に入るとラプターズは3ポイントが入らなくなり、インサイドにも攻め込めずレナードとラウリーしか得点源が無くなります。
バックスはブレッドソーやロペスが得点を挙げると、レナードを徹底マークし自由にさせず4Qを17点に抑え勝利します。
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第2戦はバックスの一方的な展開になりました。
前半から3ポイントがよく決まったバックスは、オフェンスリバウンドからも得点を増やしていきます。
ラプターズはディフェンスに苦しみインサイドに入れずタフショットを打たされ得点が伸びません。
更にバックスには簡単にインサイドを突破され失点が増え前半で64－39と大差を付けられます。
後半に入りレナード中心に点差を詰めるシーンもありましたが、バックスのインサイド攻撃を止める術がなく大敗を喫しました。
また、この日バックスはベンチポイントが54得点と層の厚さを見せつけました。
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ラプターズホームに移った第3戦
前半はラプターズがガソル中心に全員で得点を重ねディフェンスでもバックスを自由にさせません。
バックスはゴール下ではブロックなどで応戦しますが、得点が伸びず7点ビハインドで折り返します。
後半に入りリバウンド数で優位に立ちパスを回しながら3ポイントを決め始めたバックスに対しシアカムが得点をつなぐラプターズ。
試合終盤にバックスが追い付きオーバータイムに入ります。
ラウリーとパウエルをファウルアウトで欠いたラプターズでしたが、第1オーバータイムを同点で終えるとダブルオーバータイムでは、12点に抑えられながらも23リバウンドを記録したアデトクンポがファウルアウトになります。
このチャンスを生かしたいラプターズは、終盤にシアカムのブロックショットやスティール、レナードの得点で競り勝ちシリーズ初勝利を挙げました。
この日レナードが36点、シアカムが25点、11リバウンドをマークしました。
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第4戦は、王手をかけられてアウェーに移りたくないラプターズの気迫と集中力が勝った結果となりました。
前半からこの試合25得点を記録したラウリーが積極的に得点を取りに行くと、チーム全体のシュート確率も良くハイスコアで進んでいきます。
バックは序盤こそアデトクンポがゴール下で強さを見せましたが、徐々にラプターズのディフェンスに抑え込まれます。
更にフリースローの確率も悪く10点ビハインドで折り返します。
後半に入っても集中力が切れないラプターズは、パウエル、バンブリート、イバカのベンチメンバーが大活躍し、ここまで平均26得点だったベンチポイントを48点に伸ばします。
更に制圧されていたゴール下もリバウンド、ペイント内ポイントでリードを譲らずバックスを突き放します。
食らいつきたいバックスでしたが、思うようにゴール下で得点出来ずフリースローの確率も65%と最後まで伸びません。
結局アデトクンボ、ミドルトンの2人で55点を挙げたものの完敗し、シリーズはイーブンに戻りました。
レナードは脚を痛めてる事もあり19得点でした。
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2連敗からの4連勝！試合終盤で違いを見せる
バックスホームに戻った第5戦は、序盤こそバックスがアデトクンポ、ブログドンなどが得点を重ねますが、ゴール下のディフェンスを強めたラプターズもジワジワと追い上げていきます。
バックスの3点リードで迎えた後半は、バックスがリードを広げればラプターズも差を縮める一進一退の展開になります。
しかし、この日7本の3ポイントを決めたバンブリートを筆頭に2ポイントより3ポイントの確率が良かったラプターズが逆転しリードを広げていきます。
最終的なスタッツではバックスがリバウンド、ペイント内ポイントを上回りましたが、ラプターズは大事な局面でゴール下を支配します。
ゲーム終盤にはアデトクンボを抑え込みミスを誘うと35得点を挙げたレナードが、続け様にシュートを成功させ勝利。
NBAファイナルに王手をかけました。
ラプターズはフィールドゴール率36,9%、3ポイント率41,9%でした。
ラプターズホームに戻った第6戦は、負けたら終わりのバックスが積極的に得点を重ねると、ディフェンスでもゴール下を中心に強さを見せます。
ラプターズのシュート確率の低さも手伝い前半を6点リードで終えます。
後半の入りもラプターズが悪く、ターンオーバーやシュートミスを犯しバックスに差を広げられてしまいます。
しかしラプターズは、この日も絶好調だったバンブリートが5本中4本の3ポイントを沈めチームを盛り立てると、レナードもギアを上げ始めます。
勝負となった4Qではアデトクンボやロペスがインサイドで得点を挙げますが、3ポイントが入らなくなります。
逆に終盤でシュート確率を上げたラプターズが最後まで攻め続け勝利し球団初のファイナル進出を決めました。
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レナードとベンチメンバーの覚醒
このシリーズでチームの勝利に多大なる貢献をしたのは、もちろんレナードでしょう。
6試合中4試合で30点以上を挙げ全ての試合でリバウンドを7本以上取っています。
今年のプレイオフでこれまでに11試合で30点以上を挙げており、NBAファイナルを迎える前の時点でレナードより多く30点以上の試合を記録したのは、ジョーダンとオラジュワンしかいません。
これだけでレナードが、どれ程凄い事をやっているか分かるでしょう。
レナードのプレイについてはアデクトンボも試合後に
「彼は何をすべきかを、どうすればいいかを理解していた。彼は素晴らしかったよ。抑えるのが大変な選手だった」
と語っています。
やはりチャンピオンリングを持っており、ファイナルMVPを獲得している経験値は大きいですね。
そしてもう1つ勝利を呼び込んだのは、ベンチメンバーの爆発力でした。
3戦、4戦ではパウエルが活躍し5戦、6戦ではバンブリートが活躍しています。
2人ともここまでは大きな活躍はありませんでしたが、レナードが足を痛めた事や徹底マークを受けていただけに、この活躍は今後を考えても大きく意味のある事だったと思います。
バックスもアデクトンボを筆頭に強さを存分に見せましたし、チーム全員で得点を挙げシュートエリアも広くディフェンスも固い、まさに全員バスケでした。
しかし終盤に向かうにつれ、アデクトンボを徹底マークし始めたラプターズのディフェンスの前にミスが多くなってしまいました。
またフリースローの確率の悪さも1つの課題になりました。
それでもカンファレンスファイルを経験した事は、まだ24歳のアデクトンボにとって非常に大きな出来事であり成長に繋がるでしょう。
来シーズンのバックスは、今年以上に楽しみなチームになりそうです。
試合結果
※日付は日本時間
第1戦5月16日
(Home) バックス108－100ラプターズ (Away)
第2戦5月18日
(Home) バックス125－103ラプターズ(Away)
第3戦5月20日
(Away) バックス112－118ラプターズ(Home)
第4戦5月22日
(Away) バックス102－120ラプターズ (Home)
第5戦5月24日
(Home) バックス99－105ラプターズ (Away)
第6戦5月26日
(Away) バックス94－100ラプターズ (Home)
バックス2－4ラプターズ
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