昨シーズンまで5年連続でファイナルに進出していたゴールデンステート・ウォリアーズ。
主力の怪我が相次ぎファイナルで破れ今シーズンはリベンジの年になる筈でしたが、選手の退団・引退・怪我も重なり15勝50敗と誰もが目を疑う成績でシーズンを終了しています。
トンプソンに続きステフィン・カリーも離脱
考えてみれば2014-15シーズンから4年連続でキャバリアーズとのファイナル決戦となり、強すぎてつまらないとまで言われた両チームが今期は揃って最下位に沈んでいるとは皮肉な話ですね。
今シーズンのウォリアーズはケビン・デュラントやアンドレ・イグダーラの移籍、ショーン・リビングストンの引退、クレイ・トンプソの怪我により戦力は大幅ダウンし開幕前から評価を落としていました。
それでもファンはエースのステフィン・カリーがいれば何とかなると信じて疑いませんでしたが、開幕4試合目にまさかの左手骨折を負い無期限の戦線離脱となり結果的に5試合のみの出場となりました。
昨シーズンのファイナルで左膝前十字靭帯を断裂したトンプソンの復帰は未定となっていた為、チームの看板選手が2人揃って長期離脱する形となりました。
負の連鎖は止まらず怪我人続出
カリーの怪我によりチームの中心となったのはデュラントとのトレードで加入したディアンジェロ・ラッセルでした。
ペネトレイトやスリーポイントが得意な攻撃的ガードでトンプソ、カリーとのケミストリーが期待されていました。
しかしラッセルも足の捻挫や指の負傷により欠場を繰り返すと、ウォリアーズの心臓とも言えるドレイモンド・グリーンも負傷。
結果的にシーズンを通してケボン・ルーニー、デイミオン・リー、アレン・スマイラギッチ、オマリ・スペルマン、ジェイコブ・エバンス、エリック・パスカルが怪我を負いました。
もちろん怪我の具合や時期は様々ですが、主力を含めこれだけの選手が怪我をしていればチームは機能する筈も無く12月末時点で7勝24敗と最下位に落ちていました。
ディアンジェロ・ラッセルの奮闘と意外な収穫
負傷離脱する期間があったものの随所で輝きを見せたのはディアンジェロ・ラッセルでした。
出場した試合では積極的に得点を重ねチームを牽引すると、スリーポイントもよく決まり結果的には33試合に出場し、平均23.6得点、3.7リバウンド、6.2アシスト、スリーポイント率37.4%と得点ではキャリアハイを記録するなどポテンシャルの高さを十分に発揮しました。
また、こんな状態だからこそ出場時間を増やした選手も多く中でもドラフト41位のエリック・パスカルは34得点、13リバウンドを記録した試合もあるなど60試合中26試合に先発出場し平均14得点、6リバウンド、2.1アシスト、フィールドゴール率49.7%のスタッツを残しました。
まだまだ粗削りなプレイも多かったですが、逆にそれが大きな成長を期待させる気がします。
優勝争いが当たり前の例年であればドラフト入団の若手が使われる機会は少なく、パスカルも出場機会の無いまま他チームに移籍していた可能性が高かったと思いますが、怪我人続出というチャンスで結果を出せたのは怪我の功名と言えるでしょう。
アンドリュー・ウィギンズ獲得
今年2月にラッセルとのトレードで加入したアンドリュー・ウィギンズ。
この移籍に関してはチームにフィットするか?トレード要員では?など多くの意見が飛んでいます。
能力自体は高いもののパフォーマンスの波が激しい事を度々指摘されているウィギンズですが今シーズンは22.4得点挙げており、リバウンド・アシストでキャリアハイを記録しています。
ウォリアーズサイドは当然トレード要因ではないとコメントしていてチームにもフィットすると自信を持っています。
また大きく評価しているのはディフェンス力です。チャンピオンリングの獲り方を心得ているウォリアーズはイグダーラという守備のスペシャリストがいなくなった事でディフェンスに長けた選手を必要としており、ここはラッセルとの違いです。
大座奪還のシーズンになるか?
来シーズンは恐らく開幕からカリー、トンプソン、グリーン、ウィギンズが揃い踏みとなるでしょう。
今シーズン成長を見せたパスカル、デイミオン・リー、マーキーズ・クリスなどがセカンドユニットになり、ドラフトの上位指名も期待できるでしょうが、優勝を狙うには控えが薄すぎるので補強が鍵を握りそうです。
ウィギンズがチームに残る以上、大物選手の獲得は無理なのでセンターやセカンドユニットでゲームメイクを任せられるような選手が欲しい所です。
ウォリアーズの時代は終わったという声をかき消し再び王朝時代を取り戻せるか楽しみです。